高齢者の死因で上位に位置する誤嚥性肺炎
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日本では肺炎で亡くなる人が年間12万人を超えています。厚生労働省の発表によると、肺炎は死因別の統計でも上位に挙がっています。そのうち、高齢者にとって死につながる病気として挙げられるのが、嚥下障害が原因で起こる「誤嚥性肺炎」です。
誤嚥性肺炎の原因となる「嚥下障害」とは、噛んだあとの食べ物を飲み込む「嚥下」が加齢や疾患によってうまく行えなくなること。「食べ物が飲み込みにくくなった」「食事のときにむせて飲み込めない」などが主な症状です。
ニュートリー株式会社が株式会社ソーシャルサービスと共同で行った「『介護食』と『嚥下食』に関する調査」によると、誤嚥性肺炎という病気を知っている人は全体の約半数。近年は、介護経験における食事の悩みも多いためか、その認知度は高いようです。
「誤嚥性肺炎」を知っていても、正しい予防法は浸透せず
一方、その誤嚥性肺炎の予防法は正しく認知されていないようです。飲み込みやすくすることが誤嚥性肺炎の予防につながりますが、「食べ物を小さく刻む」といった間違った予防法を挙げる回答者も。きざみ食では、細かく刻まれた食材が誤って気管に入るリスクがあり、嚥下機能が落ちている人にとっては「食べやすい食事」ではないのです。
誤嚥性肺炎の予防に効果的なのは、「とろみをつけ、流動性を高める」「ゆっくりと食べさせる」といった対策です。こうした対策に便利な食事に「嚥下食」というものがありますが、その認知はまだ低く、知っていた人は回答者のうち23%。また、実際に利用したことがある人は11%にとどまりました。
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介護の中で大変なことのひとつとして挙げられる食事。その理由として「なかなか食べ終わらない」いった声が多く、嚥下障害が原因になっていることも考えられます。そんな時は、嚥下機能について正しく理解し、嚥下食など飲み込みやすい食事を取り入れるのもよいでしょう。(笹田久美子)
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