過多月経症状がある女性の婦人科受診率はわずか15％
（倉敷平成病院 婦人科 太田郁子先生）
バイエル薬品株式会社は、18〜45 歳の日本人女性約4,500名を対象に実施した、過多月経の意識調査結果を公開しました。現代女性では妊娠・出産回数の減少傾向により、生涯に経験する月経回数は増加しており、月経関連のトラブルや婦人科疾患が増加傾向にあります。“月経は女性の健康のバロメーター”であるといわれていますが、月経に関する話題は家族・友人などごく身近な人としか相談しない傾向にあり、月経に対する誤解が生まれやすい状況にあることがわかりました。
調査結果から、一般女性の約4割に、昼でも夜用ナプキンを使う日が3日以上ある、普通のナプキン1枚では1時間もたない、経血にレバー状の大きなかたまりが混じることがある、などの過多月経の症状があることが分かりました。これらの症状を持つ女性の約7割が「自分の経血量が正常かわからない」、「自分の経血量は正常の範囲内だと思う」と回答。多くの女性が症状を自覚するための判断基準を持ち合わせておらず、症状を自覚していても我慢するものとして、放置していることが示唆されました。
また、過多月経症状がある女性の婦人科受診率はわずか15％。婦人科を受診しない理由として、「病院へ行くほどひどくない（62.5％）」、「自分の経血量は特に多くないと思う（33.6％）」、「経血量が多いくらいで行くべきところではない（26％）」などと回答。月経に関する誤った認識や婦人科受診への抵抗感が顕著に現れる結果となりました。
過多月経が原因で貧血を起こすことも
調査を受けて、開催されたプレスセミナーに出席した倉敷平成病院婦人科の太田郁子先生は、「貧血の原因として“過多月経”がある場合があります。過多月経の原因は、子宮筋腫、子宮腺筋症など子宮の病気であることも多く、放っておくとこれらの病気が悪化する可能性があります。また、過多月経により貧血状態になることで心臓に負担がかかり、動悸、息切れなどを引き起こすことも。さらに重い貧血が長期に続くことによって、心不全に至るケースもあります」とライフスタイルの変化に伴う現代女性の健康リスク、婦人科疾患について指摘しました。
加えて、太田先生は、月経に対する誤った認識や婦人科受診への抵抗感を払拭するためには、月経トラブル・婦人科疾患について正しい情報が認知されることが重要であるとし、「私たちは健康診断で貧血を指摘されてもつい放置してしまいがちですが、原因として婦人科の病気があると考えられます。過多月経は婦人科で治せる症状ですので、決して我慢せず、早めに受診してください」と呼びかけました。（QLife編集部）
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