シニアが欲しいのはApple Watchではなく「らくらくウォッチ」か!?

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2015年03月13日 11:30  FUTURUS

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FUTURUS(フトゥールス)

先日Appleのスマートウォッチである『Apple Watch』が発表され、ニュースでも大きく取り上げられた。その一方で、報道番組の壮年の司会者が「でもこのサイズでは小さくて見れないな」と冗談混じりにコメントをしていた。

ディスプレイがいくら高精細になっても見ることができなければ意味を成さない。そこで、“らくらくホン”ならぬ“らくらくウォッチ”の『Kanega Watch』を作り上げたのだ。

『Kanega Watch』はインターフェースを文字ではなく、“声”に重きを置いたスマートウォッチだ。

高齢者向けのらくらくウォッチ

誰のために作られているのか? それは、商品がうたう「Wearable OnStar for Seniors(高齢者のためのウェアラブルスター)」に見受けられるように高齢者向けに作られている。

Kanega Watch

先述したように、着用者がこの時計型端末に向かって声をかけると、薬を飲む時間のリマインダーや過剰投薬を防ぐためにアラートを出してくれる。道案内なんかも可能だ。しかし『Apple Watch』や他のスマートウォッチに見受けられるようなスマートフォンとの連携は特にない(おそらく開発の段階で連携する必要がないことを知ったのであろう)。

また声を掛けることによって、日本の緊急通報用の110番、つまりアメリカの911番にもすぐ連絡できるような仕組みをとっている。音声認識がうまくいかない場合は、すぐにカスタマーサポートにつながり、連絡ができるそうだ。

さらに(たびたび比較するようで申し訳ないが)、『Apple Watch』と違い、高い防水性能の設計となっており、シャワーを浴びながらはもちろん、プールでの使用もできるようになっているのだ。バッテリーに関してどの程度持つのかは言及されてはいないものの、充電をし忘れた時のための予備バッテリーも内蔵されている。

KanegaWatch02

高齢者の尊厳を重視する

ここまで高齢者向けに設計されているのは、創業者自身が80歳になる母親の世話を長い間行っていたからだ。目の前にある課題をひとつひとつクリアしていくことによって、機能がはっきりと明確に打ち出されている。

この『Kanega Watch』が目標にすることは、そんな高齢者をサポートするだけでなく“自立”することを目指している。

時計の形にしたのも、高齢者への配慮を重んじた結果だ。ごく自然に付けていることができるデザインにすることによって、彼らが必要以上のサポートを受けなくても良いように、そして彼らが冷たい目で見られることがないように考えられてのことだ。

KanegaWatch

様々なマーケティング手法で、大企業はターゲットとなる顧客をフォーカスする。しかしこのプロジェクトのように、個人が自分の周りの人の幸福を願ってプロダクトを作ることが、SNSや3Dプリンターの登場によって実現できる時代になってきている。

日本においても、個人が主導するモノ作りの文化が発達することを期待したい。

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