みなさんは、メイドがいる生活ってどんなイメージがありますか? 何となく優雅でバラ色のイメージでしょうか?
現在、国家戦略特別区域の改正法案が国会で成立に向け動いている『外国人家事支援人材』。いわゆる”外国人メイド”の受け入れは、日本で馴染みがなくても、シンガポール、香港、そして筆者の住むアラブ圏では外国人メイドは生活に欠かせない存在で、世界には約5,200万人以上の移民家事労働者がいるとか。
日本では働く女性の家事負担軽減への期待感とともに、料金や他人を家に入れる不安感から一般家庭で本当に利用しやすいか、疑問視されています。
筆者はシンガポール、ドバイとメイドがいて当たり前な国に住み、実際に利用したこともあるので、助かる反面、注意しないと「大事になるケースもあるよ!」とメイドがいる生活のメリットとリスクについて、体験をもとにお伝えします。
■「メイド生活」のメリット:自分時間が創出される
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家事や育児を任せて働いたり、自分の時間や出来ることの選択肢が増える!
1日の終わりにやっと子どもを寝かしつけたら、洗い物の山に散らかったオモチャの片付けに思わずため息……。ママにはよくある日常風景ですよね。この全ての家事が”終わっている”感動を想像してみてください。
働いているママが残業でも、子どもが急に病気になって頼める人がいなくても、家で子どもをみてもらえます 。又、フィリピンなど英語圏のメイドだと、長時間過ごす子どもの英語習得も期待できます。
ドバイには日本人社会の専属メイドがいていて、希望する家庭には週に数時間子どもをみてくれる通いのメイドがいます。このメイドには10年以上かけて歴代の駐在員家庭が日本人の好みをしっかり伝えてきたとか。
そんな経験豊富で日本人の特性を理解しているメイドなら、あなたの強い味方になってくれることでしょう。
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■知っておきたい「メイド生活」リスク3つ
(1)お金の工面やモノの盗難
「国の家族が病気になった」とお金の工面を頼まれたり、お米が少しずつ盗まれるなどのトラブルはよくあります。筆者も過去にパスポートや衣服の盗難にあいました。知人宅では、ある日突然住み込みメイドが逃亡したという話も……。
(2)児童虐待
メイドが赤ちゃんを置いて長時間外出した、暴力を振るうなどのケースがあり、ドバイでは部屋に監視モニターをつける家庭もあります。
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(3)信頼関係を築く難しさ
教育や生活水準が異なる国から来た他人とすぐには信頼関係を築くことができません。育児や家事は家庭独自のやり方があり、価値観の違いが際立ちます 。そのギャップにストレスで「こんなはずじゃなかった」と感じるかもしれません。
“開発途上国=出稼ぎ”の貧困連鎖で乏しい教育環境で育ってきたならば、当然、衛生観念や育児習慣も異なります。当たり前と思うことが相手の当たり前ではなく、経験にないと説明しても理解してもらえず従ってくれません。例えば、子どもが転倒事故にあっても報告しない例にも居合わせました。
いかがでしたでしょうか。
今回は雇用者側の話でしたが、筆者はメイド側とも話をします。ドバイでフィリピン人メイドの最低月収は約48,000円と低賃金で休みなしの労働環境にあるメイドだと、仕事として割り切っている人もいますが、子どもに愛情を注ぐ温かい人もたくさんいます。
メイド活用がうまくいっている家庭はメイドに理解があり、メイドを仕事人でなく家族の一員として迎えます。価値観が異なる者同士、忍耐強く常識の違いをすり合わせていくことも、リスク回避の鍵となるのではないでしょうか。
一般家庭には普及しないと言われている外国人メイドを利用しやすい料金でリスクが減らせるとしたら、その時、あなたはメイドを雇いますか?
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【参考】
※ More than 52 million domestic workers worldwide – International Labor Organization
※ Sharon Mollerus – Fricker
【著者略歴】
※ 舞スーリ・・・ドバイ在住の専門家ママライター。11歳より名取の琴、着物を通じ幼少から世界中で異文化交流を実施。4カ国目の海外暮らし&国内外グローバル企業勤務経験から、比較文化の視点をライティングに生かす。バスビーマガジン、エボルニ海外ウェブマガジン他でも執筆中。趣味はベリーダンス!
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