富士通が高齢者の「異常」を早期発見するシステムを開発

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2015年03月17日 11:30  FUTURUS

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FUTURUS

FUTURUS(フトゥールス)

富士通がアイルランドで高齢者の自立生活支援について研究するプロジェクトを推進している。

『KIDUKU』と称するこのプロジェクトは、高齢化社会の到来に際し、安全・安心で豊かな生活を支援することを目的に、富士通研究所と富士通アイルランドが現地の研究機関と共同で実施しているもの。

この研究ではスマートハウスに設置した“100種類以上”のセンサーと、高齢者が身に着けたセンサーから日常生活におけるデータを収集、可視化・分析する技術の開発を進めている。

膨大なデータの中から有用な“機能不全”の兆候を抽出

そうしたなか同社は今回、高齢者の歩行やドアの開閉などの動作の特徴からバランスを崩すなどの異常を検出する技術を開発した。

Fjitsu_KIDUKU_Project

各センサーから得られる膨大なデータから医療従事者にとって意味のある機能異常などの健康リスクに関係するデータを抽出するのは容易でなく、また個人ごとの状態に応じた判定が困難だったという。


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今回、同社が開発した技術は大きく分けて以下の2つ。

(1)各個人の状態に合わせて基準値を設定、動作の特徴を数値化。

(2)連続した異なる動作や同時に行う動作で起きる機能不全を抽出。

これらのデータを繰り返し抽出することで、これまで医療従事者が気づかなかった新たな運動機能不全の事象を発見することが可能になるそうだ。

Fjitsu_KIDUKU_Project

同社によれば、「各人が自身の健康等の状態変化に“気付く”ことが、行動の変化や新たな支援サービスの提供に繋がる」という。

『KIDUKU』には“築く”、“気付く”の思いが込められており、高齢者や患者に気付きを与えると共に、サービスを提供する知識基盤やそれを用いた実社会で役立つ高齢者ソリューションを築くことを目標にしている。

Fjitsu_KIDUKU_Project

富士通研究所では2017年度中の実用化を目指しており、アイルランドでの実証プロジェクトを通じて、将来的には自宅や施設等において個人別リスク行動の提言や医療従事者向けの業務支援など様々なサービスへの適用を目指すとしている。

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