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昨今、少子高齢化が進み、生徒数が減少、閉校せざるを得ない小中学校が増加しています。そんな状況下において、2016年度から新しく学校教育法が改正されることになりました。それが、義務教育の小中学校を一貫にして9年制の義務教育学校をつくるというものです。
この改正実施による一番の変化は、子どもたちにとって小学生から中学生に進学する際の「出会いと別れ」という人生経験が失われてしまうことです。一方、今まで小学校、中学校と分かれていた運営母体が一つにまとまるため、学校の総人数が増えて活気づき、1学年に1学級のみの学校があるという問題は軽減するかもしれません。
小中学校の仕切りをなくすことで、中学進学時の環境変化に対応できない「中1ギャップ」などの解消という狙いもあるようですが、全国的にも高校進学率95%を超えている近年では、「高1ギャップ」の問題の方が深刻化しそうな気もします。また、いじめを受けている子ども、不登校の子どもは9年間が終わるまで、変化するきっかけが掴めなくなるという問題もあります。
学習面という観点から考察すれば、小中学生の授業内容が一貫して管理できることから、一体的なカリキュラムを学習できます。要は、勉強が得意な子どもは中学生の内容を小学生の内から先取り学習することができ、逆に苦手な子どもは中学生になっても小学生の内容から復習することができるのです。結果、学習意欲が高まり、自立型学習の向上へと繋げられるメリットがあります。
また、小学生から中学生への成長は、子どもたちにとっても考え方が大きく変わりやすい時期です。小学校入学時は何気なく入学しても、卒業時には自分なりの未来への目標を持っている子ども、意思を持つ子どもが現われます。そうした際、中学進学というきっかけで道を変更できていたことが難しくなるのではないかという不安は残ります。
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一方で、一貫制によって中学生になっても学校のルールや方針に変更がなく、制服を買い換える必要がないというのは、保護者にとっては負担が軽減されるかもしれません。
その他、現在の中高一貫校の行く末、教員免許や教員の採用についてなど、まだまだ多方面での疑問も残りますが、改正後の問題点をさらに洗い出し、考えを煮詰めていくことが大切です。
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