恐ろしいものといえば、地震、雷、火事、オヤジ。喧嘩と火事は江戸の華と呼ばれたものだが、その火事を消し止める消火器にイノベーションが起きそうだ。
消火の仕組み
江戸の火消しは火事がおきると燃えやすい近隣の木造物を取り壊し、排除することで延焼を食い止めた。これは燃えるもの自体をなくすものである。
現代の消防隊は消火栓にホースをつなぎ、水を高圧ポンプで飛ばし、冷却、鎮火させる。一般的な消火器は消火剤が中に入っており、冷却と抑制、窒息(酸素の遮断)等により消化する。ただ厄介なのは消火剤の存在だ。
音波で消し止める消火器
火事現場の周辺が水浸しになった光景をみたことがあるだろう。小学校であやまって消火器をぶちまけたとき、周辺が真っ白になってしまったという人もいるかもしれない。消火剤は周辺に影響を及ぼすことが多い。
そこで消火剤の代わりに“音”を使って消火させるというアイデアを実現したのが、ジョージ・メイソン大学の学生だ。
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低周波の音波を火元に注ぎ込むことで、フライパンの火を消し止めている。音は色々と試したが、ヒップホップ音楽のダン・ダンという低音が効くそうだ。
この音で消火する仕組みのいいところは、消火剤ををぶちまけないので消火後周辺がクリーンなこと。そのため応用としては宇宙空間、スペースステーション内部での使用を検討しているとのこと。
現在は学生2人が約7万円かけてプロトタイプを作った段階で、実用化にはまだ時間がかかりそうだが、特許をとり、今後の改良がのぞまれている。なおこの学生2人は今年卒業し、それぞれ航空・宇宙産業への就職が決まっているとのことだ。