レストランに近付くとメニューやクーポンがスマホに表示?情報は検索なしで拾える時代に

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2015年04月14日 17:00  FUTURUS

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FUTURUS(フトゥールス)

「え? まだ検索してるの?」といわれる日がそこまで来ている。

スマートフォンなどを持っていれば、外出先でも必要な情報を検索することができる便利な時代だ。しかし、情報がその場所に落ちていたらどうだろう。そこに行けば、スマートフォンが落ちている情報を拾いあげるのだ。

例えばバス停に近付けば、スマートフォンに時刻表や運行状況が表示されたり、気になったレストランに近付いたら、その店のメニューや本日のお勧めコースが表示されるといった具合だ。

2015年3月31日に株式会社リクルートテクノロジーズ(東京都千代田区)が発表した技術は、まさに“「検索する時代」から「今必要な情報は周りに落ちている時代」へ”がテーマとなっている。

今そこで必要な情報がスマホに表示される

リクルートテクノロジーズの研究開発機関であるATL(アドバンスドテクノロジーラボ)が開発したのは、特定の場所で、ビーコンデバイスがその場所に関連する情報のURLを発信するという技術だ。

このビーコンデバイスは『UriBeacon』という、URLやuuidを含むパケットをBluetooth LEで周辺に発信する仕組みを持っている。

このビーコンデバイスの情報をキャッチできる範囲に、専用アプリをインストールしたスマートフォンが入ると、自動的にビーコンデバイスが発信しているURLと、URLに紐付けされたタイトルやサムネイル画像・説明などを取得できる。

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つまり、今その場所で欲しい情報が、簡単に受け取れるのだ。もう、わざわざ検索しなくても、必要な情報はそこに“落ちているから拾えば良い”という感覚になる。

たとえば、バス停に近付いた際、運行状況を確認したいときにいちいち検索して探さなくても、バス停に近付くだけで、運行状況の情報がスマートフォンに表示されるということになる。気になったレストランに近付けば、その店のメニューが表示され、最近利用した人のレビューから評判を知ることもできるだろう。

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あるいは、実際に店の前まで来たところで、クーポンが表示されるといったおトクな情報を得られるようにもなる。より具体的には、アプリが周辺情報を拾いあげると、スマートフォンには周辺情報のリストが表示され、そこから見たい情報を選ぶという使い方になる。

これはかなり便利だ。

サービス概念図

受信側だけでなく発信側にも嬉しい技術

この“検索”から“そこで拾う”情報の取得方法は、情報の受け手ばかりでなく、情報を提供する側にもメリットがある。

その場で情報を公開する方法といえば、これまでは看板や電光表示板、あるいはチラシ配りといった方法があったが、コストが掛かる割にはその効果は見えなかった。効果が測定できないのだ。

しかし、ビーコンデバイスが特定の範囲で発信する情報はデジタル情報なのでコストが抑えられるし、どのくらいのユーザーが閲覧して利用したかという効果が明確に見える化される。費用対効果が一目瞭然になるのだ。

ところで設置するビーコンデバイスは2タイプ用意されている。共通する特徴は、操作に必要なスイッチやインジケーターが搭載されているので、パソコンなどのデバイスを頼らず単独で動作することだ。

1つは単4電池型で、単4電池2本を電源とし、常時発信し続けても1,500日程度動作する。もう1つのボタン電池型は、常時発信し続けて183日程度動作する。

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行動して発見することを楽しめるIoT技術

“「検索する時代」から「今必要な情報は周りに落ちている時代」へ”というコンセプトは、今後注目されるのではないだろうか。

世界中の情報から必要な情報を探しだすよりも、ローカルで今必要な情報が向こうからやってくるというのは便利というだけでない。そこに行ったからこそ知ることができたという、発見の楽しさが、行動することを楽しくさせてくれそうだからだ。

あちらこちらに落ちている情報を、スマートフォンで拾いながら歩くことを楽しむ時代がやってくるようだ。

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