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映画『Mommy/マミー』の母と子の姿にわが親子関係を省みる

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2015年04月15日 10:31  MAMApicks

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MAMApicks

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2歳になった筆者の娘、日に日に自己主張が激しくなる一方で、まだまだ手がかかる。
ついこの間も牛乳を飲みたがるので、「立ったままだとこぼすから、座って飲もうね」とマグカップを渡した瞬間、ピョンピョンと飛び上がり、案の定洋服やブランケットが牛乳まみれ。

プチンと来てしまい「だから言ったでしょ!!!」と声を荒げてしまった。
娘のビクっとした表情を見て、数秒後には激しく後悔する。ああ、どうしてすぐこうやってカーっとなってしまうんだろう……。夜、寝顔を見ながら「今日もまた怒ってゴメンね、明日からは優しいママになるからね」と誓ったことは数え切れない。

雑誌やメディアがうたうような「キラキラしたママ」像なんてどうでもいいと思っている。
けれども、娘に対してイライラしたりカッとなる自分を省みたときに、いつか雑誌で見た、「ママが笑顔でいることが赤ちゃんのハッピーにつながります」みたいなフレーズが脳裏をよぎる。

うん、いまの私、素敵なママじゃないね。笑顔が足りてないね、と。
そう、どうでもいいと言いつつ、その「キラキラしたママ」や「幸せで満ち足りた子育て」をどこかで意識している自分に気付くのだ。

言っていることはよく分かる。母親の機嫌って家庭内の空気を左右する。
ブスっとしているより、ニコニコしている方が気持ちがいいのは、何もママに限ったことではない。だけど人間なんだから、四六時中ニコニコしてるなんて無理だろう。自然に笑っていられるなら理想的だけど、笑顔を強要されているようで重いなと感じるのだった。


素敵なママって何なんだろうなあ、私は何にとらわれているのだろうと少し気分が落ちていたところで、4月25日公開予定の映画『Mommy/マミー』の試写会を鑑賞する機会に恵まれた。
http://mommy-xdolan.jp/


Photo credit : Shayne Laverdiere / (c) 2014 une filiale de Metafilms inc.昨年、第67回カンヌ国際映画祭で審査員特別賞を受賞したこの作品を撮ったのは、グザヴィエ・ドラン監督。カナダ出身の弱冠26歳だ。

いま、映画ファンの間でも注目を集める若手監督の最新作は、数年前に夫を亡くしたシングルマザーのダイと、ADHD(注意欠陥多動性障害)を抱える息子・スティーヴの親子、そしてその周囲の人々の交流を描いたドラマ。

社会的には弱者であるはずのこの親子は、生活こそギリギリで苦しいものの悲壮感はない。
ダイはいわゆる「母親」のイメージとは程遠いルックスだ。露出高めのファッションに派手なヘアメイク、まだ若いママなら分かるけど、それなりにお年を召していて、子どもももうハイティーン。それだけに最初はちょっとビックリする。


だけど、自分を美しく見せたい、可愛らしくありたいと思っているからといって、決して自己中心的な人物ではない。息子と過ごす時間を全身で楽しみ、傷ついたときには思い切り涙を流し、たとえ息子であっても腹が立てば烈火のごとく怒る。

懐の大きさも感じさせつつ、喜怒哀楽を露にする姿は非常に「人間らしい」と思えた。
一方で、息子のスティーヴも自身の豊かすぎる感受性をコントロールしきれず、持て余した感情は相手に「迷惑」と取られてしまうこともある。

そして枠をはみ出してしまったゆえの行為が物語の核となるのだが、この作品を通じて感じたのは、たとえ自分の子どもであっても、別の人格であるという事実を受け入れなくてはいけない、ということだ。

親には責任がある。少なくとも子どもが成人するまでは。
しかし責任をまっとうするというのは1日24時間張り付いて監視することではないし、物理的にも不可能だ。

子どもが事故や事件に巻き込まれるのは怖い、さらに言うと子どもが他人を傷つける可能性だってゼロではない、それはもっと恐ろしいことだ。

だけど、どこかで手を離さなくてはいけない。その覚悟を決めるのがもしかして一番難しいことなんじゃないかな、と想像している。

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娘が生まれてからずっと一緒にいて、子育てが生活の一番大きい部分を占めていたせいで、ちょっとうまくいかないことがあるとイライラしたり気分が落ち込み、自分を否定したくなった。子どもがまるで自分の一部分であるように感じるくらい、子育てのことばかり考えていたのだ。

自分が頑張ればどうにでもなる、と思い込んで、自分で自分を縛り付けていたことがイライラやモヤっとしたものの元凶だったのかもしれない。だけど子どもは自分の所有物でも付属品でもない、だから自分の思い通りになんてならなくて当然だ。

1対1の関係で考えればよいのに、親子でセットという感覚が強かったのだな、娘が保育園に通い出し、日中1人で過ごすようになって、やっと落ち着いてそう考えられるようになってきた。


母性、というと赤ちゃんを抱き、穏やかに微笑むまるで聖母のようなイメージだ。
だけど、母性も子育てもそんなに綺麗で大らかなものじゃない。むしろ食べこぼしやウンチの処理で汚いことばかりだ。部屋だっていつも散らかりっぱなしで洗濯物があっという間に溜まっていく。

キラキラしたママだって洗濯物は山積みだろうし、ウンチの処理もしているだろう、多分。綺麗な部分しか映っていないだけで、誰にとっても子育ては泥臭いもののはず。

青い芝生を眺めて、それに引き換え自分はどうだと意識するより、もっと子どもと向き合う時間を大事にしようと自分に言い聞かせている。


……でもまた牛乳こぼされたらめちゃくちゃ怒ってその後反省、ってコースだと思うけど!

『Mommy/マミー』オフィシャルサイト
http://mommy-xdolan.jp/
4月25日(土) 新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMA、109シネマズ二子玉川、センチュリーシネマ、シネ・リーブル梅田、シネマート心斎橋、京都シネマ、シネツインほかにて全国順次公開

真貝 友香(しんがい ゆか)
ソフトウェア開発職、携帯向け音楽配信事業にて社内SEを経験した後、マーケティング業務に従事。高校生からOLまで女性をターゲットにしたリサーチをメインに調査・分析業務を行う。現在は夫・2012年12月生まれの娘と都内在住。

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