「スウェーデン式歯磨き」その驚くべき威力とは?

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2015年04月16日 14:01  JIJICO

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JIJICO

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歯科の2大疾患である虫歯と歯周病の原因は細菌


みなさんは歯垢を残さず、毎日ちゃんと歯を磨いていますか?私たち歯科医が歯磨きを口うるさく奨励しているのは、歯科の2大疾患である虫歯と歯周病は、どちらも細菌が原因であり、予防するためには歯磨きで口の中の細菌の数を少なくすることがとても大切だからです。


最近は、「スウェーデン式歯磨き」がメディアで取り上げられ話題になっています。要は通常の歯磨きに加えて、「ワンタフトブラシ」と呼ばれる、植毛部分が小さなミニ歯ブラシを使って、普通の歯ブラシでは届きにくい箇所を「仕上げ磨き」「部分磨き」する方法のことです。ワンタフトブラシであれば隅々まで行き届き、まさに「かゆい所に手が届く」といったイメージでしょうか。


スウェーデンは成人の虫歯治療は100%自費


スウェーデンは、虫歯と歯周病の予防に関しては、世界を牽引する「予防先進国」として知られています。国民の意識も高く、社会保障の一環としてある程度、強制力のあるシステムで虫歯・歯周病予防のためのプログラムが提供されています。


具体的には、歯科衛生士による定期的な健診とフッ素塗布、歯磨き指導、メンテナンス(歯石取りなど歯面の清掃)などです。子どもの頃から予防知識、セルフケアの技術を教えてもらいます。そもそも日本とは異なり、成人の虫歯治療には健康保険が適応されず100%自費となるので、いい大人が虫歯になったら治療費が高くて大変です。それゆえ、スウェーデンでは歯磨きに対する気合が違うのです。


歯垢を除去するワンタフトブラシの使い方


通常の歯磨き後に、磨き残した歯垢を除去するための補助清掃器具には、歯間ブラシやデンタルフロスなどがあります。ワンタフトブラシも補助的に使用する歯ブラシの1種で、植毛部がとても小さいミニ歯ブラシです。歯並びが悪く、歯が重なって生えている部分やインプラントの周囲、奥歯の後ろ側の面など、普通の歯ブラシでは届かずうまく磨けない部分や、歯ブラシが入りにくい箇所を部分磨きするのに適しています。これを十分に使いこなして、完璧に歯磨きするのが「スウェーデン式」と呼ばれる方法のようです。


柄の部分は、普通の歯ブラシとおおよそ同じくらいの大きさで、値段も普通の歯ブラシと変わりません。1本300円ぐらいでしょうか。各メーカーからいろいろな商品名で発売されています。また、毛先の形状や堅さもいろいろあるので、歯並びが悪い人や歯科医院でいつも磨き残しを指摘される人は、試してみてください。


自分に合ったマイブラシで歯垢を残さず除去


結局「スウェーデン式」とは何ら特別な方法ではなく、その極意は「ワンタフトブラシ以外にもいろいろある口腔ケアグッズを上手に使い分ける」「適切に使いこなしてお口の中の細菌を常に少ない状態にキープする」といったことではないでしょうか?


私自身はベースとなる全体の歯磨きには、フィリップスの音波歯ブラシ「ソニッケアーダイヤモンドクリーン」を愛用しています。これだとあっという間にツルツルです。さらに歯の隙間には、ジョンソン・エンド・ジョンソンのデンタルフロスとフィリップスのエアーフロスを併用し、1番奥の歯の後ろ側はワンタフトブラシという具合に使い分けています。


磨いている時間は15〜20分ぐらいだと思います。歯ブラシやフロスだけで同じ程度の洗浄効果を得ようとしたら、おそらく40分以上かかると思います。歯磨きの効率を上げて短時間で済ますことも重要ですから、みなさんもかかりつけの歯科医や歯科衛生士と相談しながら、自分に合ったマイブラシを探してみてください。



(飯田 裕・医学博士・歯科医)

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