発言を高速文字表示!聴覚障害者の会議参加支援ソフトがいろいろ役立ちそう

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2015年04月20日 07:30  FUTURUS

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FUTURUS

FUTURUS(フトゥールス)

筆者が以前努めていた職場には、聴覚障害のある外部スタッフが働いていた。

筆者は彼に仕事を出す担当でもあったのだが、筆者は手話を知らなかったので、コミュニケーションは筆談が中心であり、作業指示は全て文書で行った。

通常の作業指示は書面を渡せば済むのだが、打ち合わせが必要なときは大変だった。いや、リアルタイムでの参加は不可能であり、結果だけを文書で伝えるしかなかった。

しかし今回、富士通と富士通ソーシアルサイエンスラボラトリが2015年4月14日に発表した『FUJITSU Software LiveTalk』(以下、LiveTalk)が有れば、聴覚障害者もリアルタイムで打ち合わせや会議に参加できるようになる。

これは朗報だ。『LiveTalk』は音声認識技術を利用して、聴覚障害者が会議や打ち合わせにリアルタイムで参加することを可能にした。5月中旬から、企業や教育機関向けに販売される。

複数参加者の同時発言も明確に分離処理できるシステム

『LiveTalk』は会議や打ち合わせ、あるいはパネルディスカッションなどで、複数の参加者の音声を即時にテキスト情報に変換し、複数の参加者のパソコン画面に表示して、発言者の発言内容を共有できるシステムだ。

この『LiveTalk』を利用すれば、聴覚障害者も、リアルタイムで会議などに参加できる。

LiveTalk画面

『LiveTalk』はパソコン上で動作するソフトウェアなので、サーバーシステムを介した場合に生じる遅延もない。

会議などへの参加者の各パソコン上で動作し、無線LANで接続することで、お互いの発言内容を交換し合う仕組みだ。

複数参加者の接続

独自の音声認識エンジンを使わず、アドバンスト・メディアの『AmiVoice SP2』という音声認識ソフトウェアと組み合わせて利用する。『AmiVoice SP2』を採用した理由は、膨大な辞書データベースを持っていることに加え、会議などを行う度に頻出する単語を学習して認識精度を高めていく機能が搭載されていることだった。

参加者が発言した内容は、各パソコン上に時系列にテキスト表示され、誰が発言したかも表示されている。『LiveTalk』が一般的な音声認識エンジンのみのソフトウェアより優れている点は、複数の参加者が同時に発言した場合に現れる。単純に音声認識ソフトウェアを使用した場合は、複数の発言は混在してしまい、テキストも内容が混ざった物となってしまう。

しかし『LiveTalk』は発言者ごとに独立したパソコンとマイクを利用するため、同時に発言されても誰が何を発言したのかが明確に分離された上で共有できる。これが最大の特徴だろう。

また、音声認識が甘くテキストに誤変換があった場合は、発言者がその場でテキストを修正できるので、他の参加者のパソコン上にも正しいテキストが反映される。

テキストも修正可能

将来はスマホ対応し、議事録作成機能も

これまで、聴覚障害者が会議や打ち合わせにリアルタイムで参加することは難しいため、呼ばれる事もなく、後で結果だけが後で知らされるということが多かったのではないだろうか。

しかし『LiveTalk』を使えば、今後はリアルタイムで聴覚障害者も会議や打ち合わせに参加できるようになる。開発元は、将来はスマートフォンでも利用できることを検討しているという。また、『LiveTalk』の機能を広げて、議事録の作成支援機能も持たせる事を予定しているという。

議事録などにも使える様になれば、当然講義や講演のレポート作成にも使える様になって、かなり便利なシステムとなるだろう。

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