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運転しているとき、「そこを右に曲がって」と言われても混乱してしまう人がいる。しかし、この様な事は、多くの人に起こりえるらしい。クイーンズ大学のGerard Gormley博士によれば、大学教授の19.5%と学生の26.2%が、時に、あるいは常に、左右が分からなくなることがあるという。
左右を区別するというのは、いくつもの高度な脳機能が含まれる複雑な神経精神的なプロセスらしい。例えば触覚、聴覚、視覚、言語機能、そして記憶を含んだ能力なのだ。さらなる問題は、二人の人が向き合った場合、お互いの左右は反対側であることだ。それは、頭の中で回転したイメージを持てなければ認識できない。まぁ、この左右の混乱が旅行先で起きたとしても、大した問題にはならないかもしれない。
しかし、医療現場では致命的な事故の原因となりかねないのだ。左右を間違えて手術してしまったら致命的な事故になる。ちなみに、この左右の混乱は、女性に多いという。男性の方が視覚空間に対する認識能力が高いことに理由があるようだ。
左右の識別能力低下の原因
ところで、この左右の混乱は、外部の刺激から隔離された状態では起きにくい。医療現場のような、騒々しく複雑な環境でおきるというのだ。
例えば医師は、常に気を逸らされる要因にさらされている。同僚からの相談、患者の親族からの質問、医療機器の電子音など、混乱させられる原因がたくさんある。そこで医学生を対象に、外部からの刺激が左右の識別に影響を与えているかどうかの調査が行われた。
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調査対象は234人の医学生だ。彼らを医療現場の騒々しい環境に置き、質問をして注意力を妨げてみた。そして注目すべき結果を得た。一部の医学生に至っては、周りの騒々しさだけで、左右の識別能力が低下したのだ。
さらに質問によって注意力を削いだ場合、左右の判別能力はさらに低下し、それは年齢が高いほど、あるいは女子学生であるほど影響力が大きかった。
そしてこれらの結果は、医学生達が自分では大丈夫だと自信があったにもかかわらず、左右の判別能力が低下したことを示した。自分たちが思っているほどに、正確な判断ができていないということだ。
左右の識別能力低下への対処
ところで、左右を区別する能力に問題があると自覚している人達は、自分なりの解決策を持っている。例えば人差し指と親指を直角に開いたとき、“L字型”に見える方が左、といった具合だ。しかし、こういった解決策はいつでも使えるとは限らない。
特に医学生は、医療現場の騒々しさの中でも左右を間違わないように訓練するか、あるいは医療現場側もできるだけ注意力を削がないような環境を整えるようにすべきである。
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また、自分に左右の識別能力に難があることを、早めに知っておく必要がある。あなたは、どんなときでも左右を識別できていますか?