国内で30万人以上の患者さんがいる“家族性高コレステロール血症”とは?

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2015年05月19日 15:10  QLife(キューライフ)

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「ちょっと運動をしただけでも、心臓が爆発しそうになる」

「この病気に悩む人に受診のきっかけになってもらえれば」とFH患者の斉藤麻介さん

 よく“悪玉コレステロール”と呼ばれているLDL-コレステロール(LDL-C)。健康診断などでこの値が高いと、病院の受診を勧められ、脂質低下薬を処方される場合があります。ところが、コレステロールの治療をしているのにLDL-Cが高いままになってしまう病気があります。

 その1つが家族性高コレステロール血症(FH)です。これは遺伝子の異常により、肝臓の細胞表面にある、LDLを取り込み処理するタンパク質が働きに異常が出る遺伝性の病気です。「ちょっと運動をしただけでも、心臓がバクバクして、いつ爆発するか、と思うくらいでした」と語るのは、3年前にFHと診断され、現在、治療を続けている斉藤麻介さん。4月27日に行われた、サノフィ株式会社のメディアセミナーに「より多くの人にこの病気を知ってもらいたい」という想いから、会場にいらっしゃいました。

 “遺伝性の病気”というと、希少疾患であると思われがちですが、国内におけるFHの患者さんは約30万人以上いると推定されており、LDL-Cが高い患者さんの8.5%がFHだった、という調査もあります。

コレステロールの治療をしているのにLDL-Cが高いままの方は医師に相談を

 同セミナーで講演した、帝京大学臨床研究センター センター長の寺本民生先生は、「FHは若いころから筋梗塞や狭心症などといった心血管疾患のリスクが高くなる傾向があります」と早期診断、早期治療の必要性を力説しました。

 FHの症状には、「LDL-Cの値が高くなる」ことや「心筋梗塞や狭心症が起こりやすくなる」ことのほかに、黄色腫と言われる手の甲や膝、肘、まぶた、手首などに黄色っぽい斑点ができたり、アキレス腱が硬く厚くなる症状があります。「現在、PCSK9阻害薬という、新しいコレステロールを下げる薬も開発されています。FHを早期に発見することは、心筋梗塞を起こす患者さんを1人でも減らすことにつながります」(寺本先生)

 コレステロールの治療をしているのに、これらの症状がある方はぜひ医師に相談してみてはいかがでしょうか。(QLife編集部)

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