『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞』は、『ガンダムSEED』シリーズなどの監督としても知られる福田己津央氏プロデュースのロボットアニメです。福田氏はプロデューサーながらも多くの回で演出を兼任しており、ストーリー展開にも福田氏の意向が強く影響しているようです。今回ご紹介する「アンジュ」は作品のヒロインでありながら、そのブレない強烈なキャラクターで人気を得ました。
【※一部、ネタバレの内容を含む可能性が御座います。ご注意下さい。】
■史上最強クズヒロイン!?
「アンジュ」は元々この世界の国のひとつ「ミスルギ皇国」の皇女でした。人々が「マナ」という一種の超能力を使えるこの世界において、マナを使えない者は「ノーマ」と呼ばれ、人間扱いされない・・・という差別を受けます。「アンジュ」も皇女という立場からノーマを差別的に扱っており、にこやかな表情でナチュラルにノーマを蔑む姿は一気に彼女の株を暴落させました・・・。
実はノーマであったことを暴露された「アンジュ」。ノーマが人間の世界を守るためにドラゴンと戦う最前線基地「アルゼナル」に送られるものの、人間不信に陥ったせいもあり同じノーマの仲間たちをも蔑み、「痛姫様」と呼ばれる始末・・・。自分の命令無視のせいで新兵二人と中隊長が戦死しても、反省のかけらも見せないクズっぷるをみせます・・・。
その後、徐々に仲間たちに心を許すようになってはいきましたが、その性格の粗暴さは直らず、口の悪さは共演の田村ゆかりさんに「うちの奈々になんてことを・・・」と言わしめたとか・・・。
■上に立つ器
「アンジュ」はひどい性格の反面、妹の「シルヴィア」やアルゼナルの子供を気遣う優しさもあり、上に立つものは危機に際して民を救う使命を持つという「ノブレス・オブリージュ」の精神も持っています。
戦いを通じて様々な苦難に遭った「アンジュ」。次第に「人は一人では生きていけないものだ」ということに気づいていきます。そして、尊大なプライドの高さは、誰にも膝を屈さぬ強さへと変わっていきました。そんな彼女の姿は、後半に向かうにつれて格好良さすら感じさせるようになり、田村ゆかりさん演じるヒルダに惚れられるまでに・・・。そして、最終的には揺るがぬ意思で仲間たちを率いるリーダーにまで成長するのです。
■肉食系
「アンジュ」はドラゴンとの戦いでヴィルキスごと海中に没し、流れ着いた無人島で、「タスク」という青年と知り合います。タスクはあの『ToLOVEる』シリーズの結城梨斗さんにもひけをとらない“ラッキースケベキャラ”です。
「タスク」に何度も股間に顔をつっこまれた「アンジュ」。当然反発するものの、もうひとつの地球に飛ばされたときに「こいつでもいいか」(これはwebラジオでの水樹さんの証言)というノリでタスクを誘ったり、自分をかばって死んだと思っていた「タスク」が生きていた時には、自らタスクに体を捧げたり・・・となかなかの肉食ぶりを発揮します。「タスク」に対してだけではなく、自分への想いを告白してきた「ヒルダ」の唇を奪うなど、気に入った相手なら性別はあまり関係ない様子です。
■生き抜く意思
アルゼナルに送られてからの「アンジュ」は、最初こそ皇女様気質が抜けず、自らの状況から逃れるために死をも願います。しかし、死を求めて挑んだドラゴンとの戦いの場で“生への本能”が目覚め、与えられた戦闘ロボット「ヴィルキス」を覚醒させて大型ドラゴンを倒しました。ノーマとしての自分を受け入れてからの彼女は、生きることに対してアグレッシブで、どんな場所どんな状況においても自らの力で生き抜く、という意思を失いませんでした。
決戦後、もうひとつの地球に取り残された「アンジュ」。元の世界への未練など完全に断ち切り、自分の国を作ることを宣言。「タスク」の夢でもあった喫茶店「アンジュ」を経営するなど、相変わらずのたくましさです。
史上稀に見る強烈な個性を持ったヒロイン「アンジュ」。建前のキレイ事を一切持ち出さない“ブレなさ”は、かえって爽快さすら感じさせてくれます。タスク一人に縛られるようなパーソナリティではないので、ヒルダもサラ子も食いまくりのアンジュハーレムを構築し、ドラゴンたちの中に君臨してほしいものです。
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★記者:玄Kuro(キャラペディア公式ライター)
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