「高校生の息子が、児童の身体をさわって逮捕された」親として、できることは何か?

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2015年05月23日 11:11  弁護士ドットコム

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「早朝に警察官の方が数名来て、高校生の息子が逮捕されてしまいました」。そんな母親の嘆きが、弁護士ドットコムの法律相談コーナーに投稿された。警察官の話では、息子は、児童の身体を触った疑いがもたれているのだという。途方にくれた母親は「私として今、できることは何でしょうか?」と、たずねている。


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逮捕容疑は、強制わいせつ罪と聞かされたが、事件の詳細はわからないという。息子は、小学生のときにも一度、下級生の体を触ってしまったことがあるそうだ。そのときは、校長に呼び出され、厳重注意を受けただけですんだ。



相談者は「罪を償って更生してほしい気持ちと、早く帰って来てほしい気持ちがあります。息子は何日くらいで帰って来れるのでしょうか? 弁護士さんをお願いした方がいいのでしょうか?」と質問している。



もし万が一、子どもが犯罪を犯したとして警察に逮捕されたとき、親として、何ができるのだろうか? 杉浦ひとみ弁護士に聞いた。



●逮捕された子どものために、親にできることは?


「未成年者が事件を起こして『逮捕』された場合、条件がそろえば、逮捕されてから3日以内に『勾留』(10〜20日間)の請求が行われ、引き続き身柄が拘束されます。



その後、家庭裁判所に送られて『観護措置』を取るべきかどうかを検討し、必要と判断すれば鑑別所に収容されて(多くは3〜4週間)、調査を受けることが多いです。



このように身柄拘束は、通算すると1ヵ月半ほどになるので、この期間の過ごし方は重要です」



杉浦弁護士はこのように説明する。この期間、親としてできることは何だろうか?



「おそらく親御さんも、息子さんの非行について苦悩してきたはずです。遠慮せずに弁護士に相談し、今できる対処と今後の方針について、アドバイスを受けることが肝要だと思います。地域の弁護士会に、子どもの法律相談を受け付ける窓口がありますので、連絡してみるのが良いでしょう。



その際、子どもの問題に詳しく、かつ、性の問題について理解のある弁護士に依頼することをお薦めします。



弁護士は、親など一般の人と比べて、逮捕された未成年との面会時刻や面会時間があまり制限されていません。したがって、子どもに対して『どんなことをしたのか』『なぜそんなことをしたのか』を丁寧に聞き、繰り返してしまう性的な問題行動についても、一緒にじっくりと考える機会を持つことができます。



いっぽう、親と子は距離が近いようでいて、子どもは親への遠慮やプライドもあり、悩みや問題を深く話し合えるとは限りません」



性の問題となれば、なおさら親子では話しにくいだろう。



「性加害は繰り返すことが多く、被害者に大きな心の傷を与えるので、最近は重く判断される傾向があります。できるだけ早期に、問題点を探ることが必要です。また、高校生であれば、出席日数や試験なども気がかりでしょう。学校との関係についても、弁護士が仲介して、退学処分などにならないように対応をとることが重要です」



このように杉浦弁護士は説明していた。


(弁護士ドットコムニュース)



【取材協力弁護士】
杉浦 ひとみ(すぎうら・ひとみ)弁護士
子どもの問題に関わりたくて弁護士になる。子どもを中核に被害者問題、DV等の家庭問題、教育問題など、絡み合う社会の問題にかかわる。少年院退院者同士が相互支援する「セカンドチャンス!」、施設内の子どもの性逸脱を考える「性教育研究会」、市民の平和活動「コスタリカに学ぶ会」等に関わる。

事務所名:東京アドヴォカシー法律事務所
事務所URL:http://www.tokyo-advocacy.com/


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