東京オリンピックを前に求められる喫煙対策、ファイザーらが行政向けセミナーを開催

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2015年05月25日 12:00  QLife(キューライフ)

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自治体発の対策で、喫煙率12%の達成を

 日本学術会議は5月20日、公共の場での受動喫煙を防止する条例の制定を求める提言書を東京都に提出しました。これは2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けたもの。オリンピックの開催都市では、受動喫煙を防止する法律や条例を制定することが慣例となっており、このまま対策を行わずに2020年を迎えることは、「健康のために受動喫煙防止を進める世界の潮流を押しとどめ、逆行させるという意味を持つことになる」としています。

 受動喫煙を含む喫煙対策は、東京都以外でも求められています。神奈川県では公共的施設における受動喫煙防止条例が制定され、学校、病院、劇場、映画館、観覧場などでは「禁煙」が、飲食店、宿泊施設、ゲームセンターなどでは、「禁煙又は分煙を選択」することが求められています。こうした喫煙対策をより多くの自治体で成功させるため、各自治体行政の喫煙対策担当者を対象としたセミナー「健康日本21(第二次)実現セミナー」がファイザー株式会社、結核予防会の主催で開催されました。

岡山発の喫煙防止アニメーション、再生回数は17万回を突破

 今回で3回目を迎える同セミナーでは、各地で行われている喫煙対策事例を自治体担当者が紹介。高知県健康政策部の柳本祥子さんは「高知県では、禁煙治療を実施する医療機関は増加していますが、禁煙治療受診者が減少しています」と現状を語ります。その対策として、歯科医院での禁煙の呼びかけや、協会けんぽの機関紙を活用し、県内1,1000社の加入事業者へ禁煙・受動喫煙防止の情報発信を行っているといいます。

 岡山県では、岡山県立大学デザイン学部と連携。若年層への喫煙対策として、喫煙防止普及のためのアニメーション映像を作成しました。「たばこの害を伝えるのではなく、『たばこはダサい』と感じさせることにより、喫煙をしないという意識を持たせました」と、同県健康福祉部の家村美和さん。この動画を動画投稿サイト「youtube」に掲載したところ、現在までに17万回以上再生され、他県や病院からの問い合わせがあるなど、大きな反響を呼んでいるそうです。

 厚生労働省が策定した「健康日本21」では、成人の喫煙率を平成34年までに12.2%まで減少させることが目標とされています。喫煙率はここ10年減少傾向にありますが、平成25年の調査では19.5%と、7%以上の開きがあります。たばこ税の引き上げをはじめとする国による対策はもちろん、今回のセミナーで各自治体の成功例が共有されたことで、地方発の喫煙対策がさらに進展することが期待されます。(QLife編集部)

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