ジャケットの襟をさっと撫でる。ジーンズの腰をタップする、テーブルクロスをスワイプする。こんなさりげない動作でスマートフォンや家電が操作できるようになりそうだ。
つまり、布が新たなインターフェイスとなろうとしている。
Googleの研究開発組織ATAPは、『Project Jacquard』というプロジェクトで、布をインターフェイスにする技術を開発したのだ。
もう、スマートフォンも家電も、布から操作できる時代がやってきた。
タッチスクリーンのように使える布が登場
『Project Jacquard』は、布の中に、タッチスクリーンと同様の働きをするセンサーを埋め込む技術だ。
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しかも、特殊な糸を織り上げるだけであるため、安価に大量生産できるのだという。
布には、いかにも操作できそうなグリッド上が見えるものから、全く普通の布にしか見えないものまで作れる。
この布で作られた服を着ていれば、例えばジャケットの袖をなぞるだけで、スマートフォンの着信音をオフにしたり、音楽の切り替えもできるようになる。あるいはテーブルクロス上でタップするだけでテレビを付けたり、照明を暗くすることもできるようになるだろう。
布は、綿、ポリエステル、絹などが利用できるという。しかもセンサーは、指の動きだけでなく、圧力も感じ取ることができる。
そうなると、シャツやパンツだけでなく、ネクタイや帽子などもウェアラブルになってきそうだ。
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また、単に操作パネルとしてだけでなく、服に加速度センサーやジャイロセンサー、心拍センサーなどを追加すれば、トラッキングも可能になるだろう。
新たな素材を手に入れることで、ファッションデザイナーの想像力が刺激されるに違いない。
応用範囲はかなり広がりそうだ
『Project Jacquard』では、早速ジーンズメーカーのリーバイスで知られるLevi Straussが最初のパートナーとして名乗りをあげた。
どんなジーンズを仕掛けてくるか期待されるところだが、まだ製品予定は発表されていない。ジーンズ以外にも、今後参加する企業や業界によって、様々な製品が登場するだろう。
例えばぬいぐるみにも、撫で方で様々な反応をしするものが登場するかもしれないし、家電を操作できるソファーがでてくるかもしれない。
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ファッションデザイナーが開発者でもある時代がやってきた。