(C)CHARAPEDIA『甘城ブリリアントパーク』は、『フルメタル・パニック』シリーズで知られる賀東招二原作アニメで、京都アニメーションが制作を担当。京アニとは『フルメタル・パニック』を含め、いくつかの作品で脚本も担当するなど関係が深い賀東先生自身もストーリー監修を務めるとともに、何話か脚本としても参加しています。今回ご紹介する「ラティファ・フルーランザ」は、舞台となるテーマパーク「甘城ブリリアントパーク」の総支配人です。
【※一部、ネタバレの内容を含む可能性が御座います。ご注意下さい。】
■名目だけの総支配人・・・コロッケは美味しい。
ラティファは甘城ブリリアントパーク、略称「甘ブリ」にあるメープル城の屋上の空中庭園に住んでいます。この空中庭園には結界が張られており、ラティファは結界から出ることもできますが、結界の外は彼女の体にはあまりよくないと言われてます。
総支配人とは名ばかりで、甘ブリの経営にはほとんどノータッチ。実際の経営は「千斗いすず」に代行権を与えて任せているものの、いすずに経営能力が皆無だったために閑古鳥が鳴き荒廃・・・。神託を受けて「可児江西也(かにえせいや)」を新たに支配人代行として迎えます。
経営には関わっていないとはいえ、ラティファは甘ブリに愛着を持っており、来園者を楽しませたいと毎日コロッケを手作りしています。そのコロッケは可児江に「衣は厚すぎずそれでいてサクサク感はしっかり、中身はジューシーかつふわふわ、練りこまれたひき肉と丹念につぶされたじゃがいもが絶妙な風味を!」と言わしめるおいしさなのです。その後も新たな味のコロッケの開発などをしています。
■魔法の国のお姫様
ラティファは、海と大地の狭間にある魔法の国「メープルランド」の第一王女です。魔法の国の住人は、人間の楽しい気持ちを結晶化した「アニムス」を生きるエネルギーにしており、甘ブリはアニムスを集めるための施設です。ラティファが住むメープル城がシン○レラ城のようなファンタジックなものではなく、実際に防衛機能がある城塞になっているのは、王族である彼女を守るためでした。
実はラティファは、「龍退治をした魔法使いにラティファを妻として与える」という約束を父王が反故にしたため、“命の源であるアニムスが欠乏していく”という呪いをかけられています。ラティファが甘ブリの支配人として城に住んでいるのは、アニムスが集まりやすい場所で静養するという意味もありました。そのためにも、甘ブリはどうしても経営状態を改善し、他人の手に渡るのを回避しなければならなかったのです。
■夏の夜の奇跡
ラティファにかけられた呪いはもう一つ。毎年呪いをかけられた8月1日になると、1年分の成長と記憶が元に戻ってしまうのです。ラティファはもう10年以上も14歳のままの1年を繰り返していました。
しかし、可児江が来てからの3ヶ月はラティファにとっては特別なものになりました。経営が上向きになり、甘ブリに来客やキャストの面々の笑いが満ちるのは、甘ブリを愛するラティファにとって奇跡が起こったように喜ばしいこと。甘ブリの経営権が他社に移るのを免れた7月31日の深夜、日付が変わる直前に、ラティファは「こんな奇跡を忘れるのはいやだ」と泣き崩れます。
そして8月1日、もう一つの奇跡が起きます。ラティファの記憶が失われていなかったのです。それは、メープル城の庭に生えたアニムスを養分にする「エルピス」の木が、この3ヶ月の間に大量のアニムスを吸い取って花を満開にさせていたことで、そのアニムスと呪いが相殺されたためでした。
ラティファは自らの理不尽な境遇に一人涙を流すことがあります(その姿をかつて幼い可児江が見たことがありました)。しかし、周囲に対してはいつも穏やかな笑顔を見せる心の強い女の子であり、いつも自分のことよりも甘ブリやキャストのことを気遣っています。呪いが解けて成長が進むようになったら、さらに素敵なお姫様になるはず。楽しみですね。・・・それはそうと、ラティファのコロッケが食べたいです。
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★記者:玄Kuro(キャラペディア公式ライター)