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2015年6月初め、AppleはドイツのMetaioを買収していたことが分かった。同社の株式は、5月21日から22日にかけてAppleに渡ったようだ。
Metaioは、高いAR(拡張現実)技術を持つ企業として知られていた。となれば、AppleがAR技術を取り込んだ製品開発を始めるのではないかとの憶測が生まれるのは自然だ。
MetaioのARとはどのようなものか
実はMetaioは怪しい動きをしていた。5月初めに予定されていたカンファレンスは中止され、Twitter上では同社の公式アカウントが閉鎖されていた。さらには、同社のサイトでの製品購入やユーザー登録が行えなくなっていたのだ。
何かある、と業界ウォッチャーは注目していただろう。そしてAppleによる買収が分かり、今度はAppleが注目されている。
MetaioのARは定評があり、例えば店内に展示されているフェラーリをタブレット越しに見ると、各部のパーツが分解されて説明されたり、本来は見えない部分が透けて見えたりする。
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また、客が見ている角度から、ボディーカラーを変更してシミュレーションすることもできる。
もう1つの例として、ベルリンを訪れた旅行者がスマートフォンやタブレット越しに街や建物を見ると、過去の風景や歴史上の事件が現実に重なって映しだされるといったことができる。
まさに、“拡張”現実である。
AppleはARの準備をしてきていた
Appleに買収されたMetaioの社員はどのような扱いになるか不明だが、技術者達は、引き続きARの開発をAppleの意向にあわせて続けることになるのだろう。
そのAppleでは、既に3月にはAR専属チームを編成していたとも報じられている。また、Appleは既に、透明ディスプレイやiPhone上のバーチャルディスプレイなどのAR関連特許を取得している。
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すなわち、Metaio買収以前から、AR参入への準備をしていたことになる。
Appleが行おうとしているのは、Metaioの実績から推測すれば、恐らく街中で建物や商店、レストランなどをスマートフォンやタブレット越しに見ると、サービスやメニュー、特売やお勧め情報が見えるといったARを自社製品に実装するのではないだろうか。
あるいは、現実世界を舞台にしたゲームなどもだしてくるかもしれない。
Apple以外にも、FacebookやGoogleなど、多くのIT関連企業がARに参入してくるはずだ。
これから激しいAR競争が始まるだろう。
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