日本初のキルト専門雑誌「パッチワーク通信」などで知られるパッチワーク通信社が6月10日、事業の停止を発表した。これに伴い、定期刊行物をすべて休刊する方針。帝国データバンクによれば、負債額は2015年2月期末時点で約7億7,900万円。事務所は閉鎖され、「自己破産申請の手続きに入った」といった旨の貼り紙が掲示されているという。
パッチワーク通信社が事業停止の画像を拡大
パッチワーク通信社は1975年に創業したパッチワーク・キルトの専門出版社。1983年に創刊した「パッチワーク通信」をはじめ「パッチワーク倶楽部」や「パッチワーク教室」「おりがみ通信」などの定期刊行物を出版するほか、日本最大のパッチワークキルトの祭典「インターナショナル・キルトウィーク」といったイベントの開催、通信教育講座の運営など幅広い事業を手掛け、国内外でキルト普及活動に努めてきた。
帝国データバンクの報道によると、2007年2月期に年売上高10億1,100万円を計上していたが、出版不況の影響や返本率の増加で2015年2月期の年売上高は約7億4,200万円まで減少。また、以前からの赤字や借り入れ金の負担などで厳しい資金操りが続いていたという。同社の代表取締役 天野義弘は公式サイトで事業停止を発表するとともに、定期購読者等の債権者に通知書を送付することを予告している。
なお、毎年恒例の「第23回 インターナショナル・キルトウィーク横浜 2015」の実施を11月12日から14日までの期間で予定していたが、事実上開催が危ぶまれている状態となっている。会場のパシフィコ横浜によれば、現在パッチワーク通信社に確認を取っている段階で「開催の有無については回答できない」としている。