生活とデジタルを繫ぐ新ソリューションを生む自由発想ラボ『HACKist』とは?

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2015年06月17日 20:20  FUTURUS

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FUTURUS

FUTURUS(フトゥールス)

便利だけれど温もりを感じにくいデジタルを、生活の中に溶け込むような“新しいカタチ”で創造する試みを行っているラボラトリーが『HACKist(ハックイスト)』だ。

以前FUTURUSでも紹介した、手書きの手紙をスマホで送れる『POSTIE(ポスティ)』を作ったのもこのラボ。

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デジタルテクノロジーを使い、生活に関連するモノなら『何を作ってもOK』という彼らに、注目してみた。

 しゃべる野菜から飛び出すマンガまで

博報堂DYグループで、WEBの企業プロモーションなどを手掛ける『博報堂アイ・スタジオ』内にあるのが『HACKist』。 まずは、幾つか作品を紹介しよう。

・Talkable Vegetables(トーカブルベジタブル):しゃべる野菜箱。指向性スピーカーを使用、手に取った野菜が自分の出身や特徴、料理法などを語りかける。スーパーなどの店頭プロモーションツールとして、博報堂のクリエイティブラボ『スタラボ』と共同開発。

・でんせつ 電接/電切:アプリをインストールしなくても、スマホで家電を操作OK。ブラウザで専用WEBにアクセスするだけで、電気のオン・オフなどが簡単にできる。

・HACKist_Vol.1:一見、普通の紙に印刷されたマンガ本。が、とあるページでスマホをかざすと、描かれていないイラストや動画がでてくる

これら作品は、5月16日〜17日に、東京・渋谷のGalaxy銀河系で行われた展示会『DIGITAL FRAGMENTS』に出展されたもの。ほかにも、Dimensions Record、Vincent、Clippable CODE、Customize Journey、ヤバい、声色アレキサンドライトなど計12点を展示、好評を得ていた。

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テクノロジーを使って遊ぶ感覚でモノ作り

これらを制作したのは、同社のクリエイターやエンジニアなどの有志たち。それぞれ本来の仕事を持ちながら、空いている時間に作品制作を行っている。

活動は約3年前から。WEBサイトなど既存の広告制作と違った、全く新しい“モノつくり”を試みる場所としてはじまった。 『HACKist』代表の望月 重太朗氏は以下のように説明する。 「日々成長や変化をするデジタルの分野では、自発的に勉強しないとなかなか学べないんです。だから、ここは新しいモノを作り“学ぶ”場所として立ち上げました」

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「生活に関するものなら、何を作ってもOK。こういうものがあったらいいよね、といったものを実際に作る。テクノロジーを使って遊ぶ感覚で、様々なプロトタイプを作っています」

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「ボクたちは、基本的に広告を作るのが仕事。なので、将来的には、ここで作ったモノが、クライアントさんが新しいお客さんとコミュニケーションを取れるサービスやツールになれば、と思っています」

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展示会や国際的なショーでも盛況

『HACKist』では、前述の様な展示会の他、アメリカの国際的デジタル見本市、SXSW Interactive(サウス・バイ・サウス・ウエスト・インタラクティブ)にも出展している。

望月氏は、「ブログなどネット上だけでなく、作品をより多くの人に見てもらうために始めました。“どうすれば見られるか”を考えることは、とても勉強になります。広告もそこが大切。将来的にビジネスに繋げるには、必要不可欠ですね」と語る。

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しゃべる野菜は海外でも高い評価!

作品の中で『トーカブルベジタブル』は、実際に北海道のHUGマートという、自然食野菜を売るスーパーで運用された実績がある。博報堂『スタラボ』と共同開発ながら、『HACKist』作品では初の実用化だ。望月氏は、「まだプロトタイプですが、やりたいというお客さんがいれば、一緒に作れます。今後は、こういった作品を増やして行きたいですね」と話す。

同作品は、2015年3月にタイで行われたアジア太平洋地区で最も権威がある広告祭『ADFEST2015』において、アウトドア部門でGOLD、インタラクティブ部門でBRONZEを受賞。海外でも高い評価を得ている。


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広告にしろデバイスにしろ、もっと身近で温もりがあるデジタルソリューションの開発を目指すこのラボ。今後に期待したい。

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