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便利だけれど温もりを感じにくいデジタルを、生活の中に溶け込むような“新しいカタチ”で創造する試みを行っているラボラトリーが『HACKist(ハックイスト)』だ。
以前FUTURUSでも紹介した、手書きの手紙をスマホで送れる『POSTIE(ポスティ)』を作ったのもこのラボ。
![thumb_01](http://nge.jp/wp-content/uploads/2015/06/thumb_01.jpg)
デジタルテクノロジーを使い、生活に関連するモノなら『何を作ってもOK』という彼らに、注目してみた。
しゃべる野菜から飛び出すマンガまで
博報堂DYグループで、WEBの企業プロモーションなどを手掛ける『博報堂アイ・スタジオ』内にあるのが『HACKist』。 まずは、幾つか作品を紹介しよう。
・Talkable Vegetables(トーカブルベジタブル):しゃべる野菜箱。指向性スピーカーを使用、手に取った野菜が自分の出身や特徴、料理法などを語りかける。スーパーなどの店頭プロモーションツールとして、博報堂のクリエイティブラボ『スタラボ』と共同開発。
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・でんせつ 電接/電切:アプリをインストールしなくても、スマホで家電を操作OK。ブラウザで専用WEBにアクセスするだけで、電気のオン・オフなどが簡単にできる。
・HACKist_Vol.1:一見、普通の紙に印刷されたマンガ本。が、とあるページでスマホをかざすと、描かれていないイラストや動画がでてくる
これら作品は、5月16日〜17日に、東京・渋谷のGalaxy銀河系で行われた展示会『DIGITAL FRAGMENTS』に出展されたもの。ほかにも、Dimensions Record、Vincent、Clippable CODE、Customize Journey、ヤバい、声色アレキサンドライトなど計12点を展示、好評を得ていた。
![a4_作品紹介-01](http://nge.jp/wp-content/uploads/2015/06/4e756ccee4d7456dcd9e9ce6879e988b-690x967.jpg)
テクノロジーを使って遊ぶ感覚でモノ作り
これらを制作したのは、同社のクリエイターやエンジニアなどの有志たち。それぞれ本来の仕事を持ちながら、空いている時間に作品制作を行っている。
活動は約3年前から。WEBサイトなど既存の広告制作と違った、全く新しい“モノつくり”を試みる場所としてはじまった。 『HACKist』代表の望月 重太朗氏は以下のように説明する。 「日々成長や変化をするデジタルの分野では、自発的に勉強しないとなかなか学べないんです。だから、ここは新しいモノを作り“学ぶ”場所として立ち上げました」
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![hackist_member1](http://nge.jp/wp-content/uploads/2015/06/hackist_member1-690x281.jpg)
「生活に関するものなら、何を作ってもOK。こういうものがあったらいいよね、といったものを実際に作る。テクノロジーを使って遊ぶ感覚で、様々なプロトタイプを作っています」
![hackist033](http://nge.jp/wp-content/uploads/2015/06/hackist033-690x492.jpg)
「ボクたちは、基本的に広告を作るのが仕事。なので、将来的には、ここで作ったモノが、クライアントさんが新しいお客さんとコミュニケーションを取れるサービスやツールになれば、と思っています」
![hackist04](http://nge.jp/wp-content/uploads/2015/06/hackist04-690x460.jpg)
展示会や国際的なショーでも盛況
『HACKist』では、前述の様な展示会の他、アメリカの国際的デジタル見本市、SXSW Interactive(サウス・バイ・サウス・ウエスト・インタラクティブ)にも出展している。
望月氏は、「ブログなどネット上だけでなく、作品をより多くの人に見てもらうために始めました。“どうすれば見られるか”を考えることは、とても勉強になります。広告もそこが大切。将来的にビジネスに繋げるには、必要不可欠ですね」と語る。
![thumb_03](http://nge.jp/wp-content/uploads/2015/06/thumb_031.jpg)
しゃべる野菜は海外でも高い評価!
作品の中で『トーカブルベジタブル』は、実際に北海道のHUGマートという、自然食野菜を売るスーパーで運用された実績がある。博報堂『スタラボ』と共同開発ながら、『HACKist』作品では初の実用化だ。望月氏は、「まだプロトタイプですが、やりたいというお客さんがいれば、一緒に作れます。今後は、こういった作品を増やして行きたいですね」と話す。
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同作品は、2015年3月にタイで行われたアジア太平洋地区で最も権威がある広告祭『ADFEST2015』において、アウトドア部門でGOLD、インタラクティブ部門でBRONZEを受賞。海外でも高い評価を得ている。
広告にしろデバイスにしろ、もっと身近で温もりがあるデジタルソリューションの開発を目指すこのラボ。今後に期待したい。