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宙に浮き、摩擦の少ないチューブの中をカプセル型の乗り物が超高速で移動する。想定される速度は時速700マイル(1,126km)以上で、サンフランシスコからロサンゼルスを約30分で結ぶ……。
こんな次世代型の超高速交通機関『Hyperloop(ハイパーループ)』のコンセプトを、SpaceX社やTesla Morter社の創業者イーロン・マスク氏が明かしたのは2013年。それから2年、現在までに『Hyperloop』実現を目指しいくつものスタートアップ企業が登場し、開発を進めている。かねてよりSpaceXやマスク氏自身は『Hyperloop』の商業的な開発に携わる計画を持っていないとしているが、この壮大な計画を前進させるべく、このほどオープン・コンペティションの開催を発表した。
『Hyperloop』のプロトタイプをデザイン・製作するコンペが開催
商業宇宙輸送会社SpaceXは、学生や独立したエンジニアを対象に『Hyperloop』のプロトタイプをデザイン・製作するコンペ『SpaceX Hyperloop Pod Competition』の開催することを発表した。
コンペを支援するため、SpaceXはカリフォルニア州ホーソーンの本社に隣接する敷地に、テストコースを建設するという。チューブの直径は約120〜150cmで、コース全長はおよそ1.6kmになる見込みだ。参加チームは、2016年6月に予定されている『competition weekend』では、実際にこのコースでポッドを走行テストさせることになるようだ。
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デザイン案は専門家が審査・フィードバック
今後の流れとしては、まず8月にルールやチューブの仕様といった詳細が発表され、参加チームは年末までに最終デザイン案を提出することになる。その後、参加者は16年1月にテキサス州のA&M大学で予定されている『design weekend』というイベントに出席し、SpaceXやTeslaのエンジニア、大学教授といったメンバーからアイデアの精査、フィートバックを受けることになるとのことだ。『design weekend』はまた、スポンサーや別の方法でポッド製作に貢献する出資者とコンペ参加者をつなぐ場にもなるようだ。
優秀賞を獲得した参加者への賞についてSpaceXからの言及はないが、最も優れたデザインが『Hyperloop』開発を進める企業から関心を集めることは間違いないだろう。なお審査過程を通じて獲得した知識や情報といった成果はオープンソースにされるということだ。
長らく期待される『Hyperloop』は、今回のコンペで実現が一歩近づくことになるのだろうか。多くの優れた人材が参加し、厳しい競争の中から驚くようなイノベーションが生まれる、そんな展開は見られるのだろうか。1年後に何が起こるのかをじっくりと見守っていきたいところだ。