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うまく出せない声、うまく伝わらない思い・・・「けいれん性発声障害」をご存知ですか

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2015年06月23日 12:00  QLife(キューライフ)

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QLife(キューライフ)

ジストニアの一種と考えられているけいれん性発声障害

SD患者さんと渡嘉敷先生、廣芝先生によるパネルディスカッション

 けいれん性発声障害(Spasmodic Dysphonia=SD)の啓発活動と広報活動を行う一般社団法人SDCP発声障害患者会は6月6日、都内で第2回総会「〜わたしの声を、“わたしたちの”声に〜」を開催。新宿ボイスクリニックの渡嘉敷亮二先生、ひろしば耳鼻咽喉科の廣芝新也先生とSD患者さんたちによるパネルディスカッション、活動報告や患者さん交流会などが行われました。

 SDは、声を出そうとすると、自分の意志と無関係に声帯が異常な動き方をしてしまう疾患。そのため、声が詰まったり、震えたりすることで、苦しく絞り出すような声になってしまいます。声を失うことで、仕事や社会的な立場を失うことも少なくありません。ところが、SD患者さんの声帯は、見た目では異常がないため、医師から「精神的なもの」と言われてしまうことも。また、診断の確定までに何年もかかってしまうことも珍しくありません。

 現在、SDは脳の大脳基底核という部分の異常によって、全身あるいは身体の一部に硬直やけいれんなどの症状が現れる「ジストニア」という疾患の一種と考えられていますが、その原因は未だ不明。疾患の認知度が低いことや、正しい診断を下せる病院も少ないことから、まだ治療を受けていない患者さんも多くいると考えられています。

代表理事の田中さん「みんなが分かち合ってくれる」

 「私は6年ほど前に手術を行い、2年前ごろから安定してお話ができるようになりました」と語るのは、同会の代表理事・田中美穂さん。田中さんは、2009年にSNSサイト「mixi」内にSD患者さんのコミュニティ「痙攣性発声障害…ですが何か?」を立ち上げました。「一人で活動していたときは、SD患者さんを見つけると、直接会いに行って励ましあったりしていました。患者会が設立された今では仲間も増え、一人でやっていたことをみんなが分かち合ってくれるようになりました」(田中さん)

 去年、一般社団法人となったSDCP発声障害患者会。その影響について田中さんは「今までと活動の内容は変わりませんが、いろんな方々から声をかけていただけるようになり、名実共に認めていただけたと思います。声に苦しむ皆さんが生きやすい、幸せな社会にしていくために、これからも陳情に行ったり、疾患啓発用のリーフレットを作ったりする活動を続けていきます」と語りました。

2014年からは「ボトックス注射」の保険適応に向けた治験がスタート

 SDの治療法としては、ボツリヌムトキシンを声帯筋に注射して一時的に脱力させる「ボトックス注射」、声帯筋を手術で摘出する「甲状披裂筋摘出術」、喉頭の軟骨を縦に切開し、左右の声帯を広げ、チタン製の器具で固定する「甲状軟骨形成術2型手術」などがあります。ボトックス注射は、昨年から保険適応に向けた治験がスタートするなど、患者会の努力もありその治療環境は進展を見せています。パネルディスカッションでは、こうした治療による改善例が術前術後の音声データで紹介されました。

 一方でSDCP発声障害患者会には「注射を打った後に、声がかすれてしまい、それが治ったらまたすぐに声が詰まり始めてしまう」といった相談が寄せられることも。これについて、渡嘉敷先生は「身体の動きは、ジストニアなど神経学的なものとだけでなく、不安など精神的なものによっても、かなりの影響を受けます。この2つが混ざり合っていることもあるので、問診によってメンタル面のサポートを行うことも必要でしょう」と語ります。また、1つの施術でうまくいかなくても、別の方法を試すことで改善がみられることもあるとしています。

 さらに「声が出ないため、悩みや症状が医師に伝えられない」との相談に、渡嘉敷先生は「患者さんの立場にたって、時間をかけて信頼を得なければならないと考えているので、腹を割って治療に臨みましょう」とコメント。廣芝先生は「病気の治療に関してはご本人が主役で、後押しをするのが医師の役割です。病気を受け入れるのは辛いことですが、主役にその気がなければ、周りの人がいくら努力しても乗り越えられません。病気でなくても、人は何かしらの障害を持って生きています。それを自分の心でコントロールするのが大切です」と語りました。これを受け、田中さんは「患者として諦めないで、先生に直接ぶつかっていってほしいと思います。これからもなにか辛いことがあったらみんなで共有して、前を向いて進んでいきましょう」と、同じ悩みを抱える患者さんにエールを送りました。(QLife編集部)

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