年間100件以上もの被害報告が寄せられるまつ毛エクステンション
人工のまつ毛を、自分のまつ毛に接着剤でつける「まつ毛エクステンション」。「目がぱっちり大きく見える」といった理由で、若い女性を中心に人気です。ところが、まつ毛エクステンションで目が痛くなったなどの危害情報が数多く報告されています。
国民生活センターの「PIO-NET(パイオネット:全国消費生活情報ネットワーク・システム)」には、まつ毛エクステンションの施術での危害情報が2010年度以降の5年間で599件も寄せられています。しかも、毎年100件以上で推移しているとのこと。
まつ毛エクステンションは美容行為であり、施術者には美容師の免許が必要ですが、警察庁によると、まつ毛エクステンションに関係した美容師法違反での検挙事件数は、2013年から大きく増えているとのこと。つまり、無免許での施術による被害の可能性が高いのです。
無免許の「素人」が施術し健康被害に
国民生活センターの調査では、「目が痛い」「目が充血した」「まぶたが腫れた、かぶれた」といった被害が多いようです。治療の期間は「治療1週間未満」が31.4%、「医者にかからず」も35.2%でしたが、なかには「1か月以上」も治療に時間を要した例も4.0%ありました。
具体的な事例として、「施術中から液が目にしみて、施術後、目が痛くて充血し涙がとまらない」、「施術者は、美容師免許のない素人だった」といったものも。また、半数近くの人は施術者が美容師免許を持っているかどうかを確認していないという実態も明らかになりました。
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まつ毛エクステンションによる被害を減らすには、サロンを選ぶときに施術者が有資格者か確認するなど、施術を受ける側にも正しい知識と自衛策が必要です。それでも目やその周辺に異常を感じた場合には、直ちに医療機関を受診するようにしましょう。(下玉利 尚明)
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