作家・朝井リョウさんに聞く! 高校生のうちに観ておくべき映画

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2015年07月03日 13:41  スタディサプリ進路

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恋愛ものや友情ものなど、様々なジャンルがある映画。その中でも、高校生の今だからこそ共感できたり、発見があったりする映画作品がきっとあるはず! そこで、『桐島、部活やめるってよ』など、高校生をリアルに描いた作品を多く手掛ける作家の朝井リョウさんに“高校生の今だからこそ観ておくべき映画”を紹介してもらった! ■作品を楽しむ力が身につく! 『ジョゼと虎と魚たち』 足の不自由な女性・ジョゼ(池脇千鶴)と、ごく普通の大学生の恒夫(妻夫木聡)の出会いから別れまでを描いたラブストーリー。 「実際に私が高校1年生の時に観た作品です。“障害のある女性との恋愛”というテーマはとても重く、最初に見たときは作品に込められたメッセージの半分も理解できていなかったと思います。そのため、『この作品に流れている“自分が体験したことがない感情”を知りたい』という思いで、何度も見返しました。そんな風に作品の意味を知ろうとする経験を高校生のうちにしておくことは、自分で思考する癖がつくという意味でも有意義だと思います。また、DVDの特典映像では、出演者たちが心から楽しそうに製作過程の話をしています。『自分もいつか、こんな風に仕事について笑顔で話せる大人になりたい』と思ったことをはっきりと覚えています」 ■受験勉強の息抜きになる! 『サマータイムマシン・ブルース』 7人の大学生のおかしな夏休みを描くコメディ。SF研究会の部室で過ごしていた彼らの前に、突如タイムマシンが現れる。彼らは軽い気持ちでマシンに乗り込み遊びまわるが、それが原因となってある事件が起きてしまう。 「高校3年生のとき、受験勉強の息抜きでこの映画を観た私は、『来春、絶対に大学生になる!』と強く誓いました。というのも、この映画の描写が、憧れの大学生活にドンピシャだったのです。物であふれた汚い部室や、仲間と通う安い銭湯、部室のクーラーが壊れて大ゲンカ…『この映画の中に入りたい!』とどれだけ強く思ったことでしょう。また、タイムスリップものとしても優れた作品で、数えきれないほどの伏線が見事に回収されていくラストは圧巻。友達と一緒に観て、大笑いしてください」 ■たくさんの出会いを大切にしたくなる! 『横道世之介』 隙がある憎めない人柄が魅力で、周りの人をいつの間にか笑顔にさせてしまう大学生の世之介(高良健吾)。彼が、大学の同級生(綾野剛)や世間知らずの社長令嬢(吉高由里子)など、様々な人と出会い、成長していく人間ドラマ。 「世之介の人生が出会いを通して豊かになっていく様子に、胸が踊らずにはいられなくなると思います。この作品のキャッチコピーは『出会えたことが、うれしくて、可笑しくて、そして、寂しいーー。』。見終わる頃にはその通りに、この作品に出会えたうれしさや可笑しさ、そして少しの寂しさを感じるでしょう。そんな言葉にできない寂しい気持ちを共有できる誰かが、あなたにとっての“世之介”。大切に想う“世之介”のような存在をより愛しく思えたり、自分も誰かの“世之介”になりたいと思える作品です」 ■周りの世界を見る目が変わる! 『桐島、部活やめるってよ』 ある日突然、バレー部のスター的存在である“桐島”が部活をやめることに。それをきっかけに、これまで接点のなかった同級生たちが次第に関わり合い、彼らの日常に小さな変化が起きる。 「自分が原作を務めた映画を挙げるのは恥ずかしいのですが、私が最も“高校生のうちに観てもらいたい”と思う作品はコレです。原作の約半分は高校時代に書いていたので、当時の私が抱いていた感情すべてが詰まっています。日々の大半を学校で過ごす高校生の頃は、教室の中心が世界の中心のように思いがちです。しかし、日本を中心に描かれているのが当たり前だと思っていた世界地図が、外国に行けばそうではないように、教室という狭い世界を出た瞬間、あなたの地図はあっという間に形を変えてしまいます。今の自分の“地図”にうんざりしている人には、特に観ていただきたいです」 息抜きはもちろん、新たな考え方を与えてくれる映画鑑賞。これらの作品があなたを変えるきっかけになるかも!?

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