作家・上橋菜穂子が幼少期に受け取った「ウルトラマンからの手紙」とは

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2015年07月07日 13:42  BOOK STAND

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『物語ること、生きること』上橋 菜穂子,瀧 晴巳 講談社
記念日や祝日、偉人の生誕日などの際に、検索サイトGoogleの検索窓の上に表示されるデザインロゴ。これら遊び心たっぷりの記念日仕様のロゴを「Doodle(ドゥードゥル)」と呼ぶのをご存知でしょうか? 

 本日、7月7日のDoodleは、『ウルトラマン』がモチーフ。"特撮の神様"ことシリーズの生みの親・円谷英二さんの誕生が1901年7月7日だったことにちなみ、このデザインになったのだとか。

 大ヒットアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』庵野秀明監督をはじめ、ウルトラマンシリーズファンの中には、のちに作り手として大成した方も多いですが、今年、"医療ファンタジー"小説、『鹿の王』(KADOKAWA刊)で「本屋大賞」を受賞した作家・上橋菜穂子さんも、同シリーズをリアルタイムで観ていた子どもの1人でした。上橋さんのエッセイ『物語ること、生きること』にも、『ウルトラマン』についてのエピソードが登場します

 特撮ヒーローや忍者になりきって遊ぶ"ごっこ遊び"が大好きな子どもだった上橋さんですが、ショックを受けたのが、初代『ウルトラマン』最終回のストーリー。地球を守ってくれているウルトラマンが、怪獣ゼットンに負けてしまい「もう地球はおしまいだ」と、吐いてしまうほど大泣きしたそうです。

 するとその次の日、上橋さんのもとに、なんとウルトラマンから手紙が届きます。手紙には、以下のような言葉が書かれていました。

「菜穂子ちゃん。僕は死んだんじゃないんだ。M78星雲に帰っただけなんだよ」(本書より)

 大喜びで「ウルトラマン、生きていたよ! 地球はまだ大丈夫だよ!」と、母親に抱きついた上橋さんでしたが、実はその手紙は、母親が娘を励ますために、ウルトラマンになりきって書いたものだったのです。

 なんとも微笑ましいお話ですが、"空想の世界に入り過ぎてしまう"上橋さんの性格や、娘の想像力を尊重してあげる母親の優しさが伝わってくるエピソードです。幼少期に始まり、大ヒットシリーズ『精霊の守り人』や『獣の奏者』などの物語を書くまでの道のりが綴られた同書は、上橋作品のファンなら見逃せない1冊となることでしょう。



『物語ること、生きること』
著者:上橋 菜穂子,瀧 晴巳
出版社:講談社
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