![](https://news-image.mixi.net/article/218/218_20150707_109509_003.jpg)
睡眠時無呼吸症候群(SAS)という症状がある。寝ているときに、気道が塞がり呼吸が止まってしまう症状だ。
この睡眠時無呼吸症候群は心臓病や高血圧、不整脈、脳血管障害など様々な恐ろしい合併症を招くとされているが、その様な合併症がなくても、睡眠不足による交通事故なども引き起こす危険がある。
この睡眠時無呼吸症候群にはCPAPという治療法がある。しかし大がかりな装置を顔に取り付けねばならないため、1年もすれば半分の人達が挫折してしまうらしい。
つまり、睡眠時無呼吸症候群には悩まされているが、CPAPによる治療はまっぴらだ、という人がかなりいると想像できるのだ。
この想像を裏付けるかのように、クラウドファンディングの『Indiegogo』に登場した『Airing』というマイクロCPAP治療器に圧倒的な期待が寄せられている。なんと資金調達率は756%に達しているのだ。
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電源ケーブルもチューブもないマイクロCPAP治療器
今のところ、睡眠時無呼吸症候群を治療するにはCPAPを使用することが一般的だが、この装置は大がかりだ。
鼻から強制的に空気を送り込むために、大きなマスクを顔面に固定し、本体との間には掃除機のホースのような太いジャバラのチューブで接続される。
![CPAPのデメリット1](http://nge.jp/wp-content/uploads/2015/07/26f812a7ecd73b14b6f1d3581a5a01c7.png)
そのため、一度寝る体制になったら自由に動けないし、顔面への違和感は大きい。この違和感のせいでかえって睡眠不足が悪化する人もいるくらいだ。
![CPAPのデメリット2](http://nge.jp/wp-content/uploads/2015/07/bb75f17fb2316a5938b2a6e01f2a12bd.png)
しかも本体の作動音が大きいため、一緒に寝ている人の睡眠まで妨げてしまうことがあるという。つまり、問題だらけなのだ。
ところが『Indiegogo』に登場したマイクロCPAP治療器である『Airing』は、鼻の穴に差し込んで取り付けても口を塞がない程小さな装置なのだ。正面から見れば“ちょびひげ”サイズである。
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しかも電源ケーブルも太いチューブも不要なため、その反響は大きく、既に書いたように資金調達率が凄いことになっている。
さらに人気を高めている理由は、鼻に差し込む部分は使い捨てタイプであるため、メンテナンスがいらないということだろう。
![Airing形状](http://nge.jp/wp-content/uploads/2015/07/84b82a25940299fdbb69d67e48253cc0.jpg)
この小さな『Airing』の中には、板が電磁石で上下に動くことで空気を送り込む小さな装置が何百個も内蔵されており、それらを内蔵バッテリーで駆動させることで空気を送りこむという構造らしい。
そのように内蔵した装置やバッテリーで完結した仕組みのため、電源ケーブルもチューブも不要になっているのだ。
![Airing仕様](http://nge.jp/wp-content/uploads/2015/07/4cd24aa249ce4c6edc41db12859df7dd.png)
睡眠時無呼吸症候群で悩む人達の期待が集まっている
『Airing』はこの小さな装置自体で機能が完結しているため、携帯に便利だ。これまで睡眠時無呼吸症候群のせいで旅行ができなかった人でも、常に持ち歩くことができるだろう。
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ただ、課題として、まだFDA(米国食品医薬品局)の認可を取得できていないことが不安だ。資金は余裕で集まっているが、認可を得られなければ販売できない。
しかし、睡眠時無呼吸症候群で悩んでいる人達の期待は切実だろう。早く『Airing』を実現させて、多くの睡眠時無呼吸症候群の人達に、希望を与えて欲しいものだ。