日本人の8人に1人が慢性腎臓病
慢性腎臓病(CKD)は、身近な病気の1つです。患者数も20歳以上の日本人の8人に1人と推測されており、治療が必要な患者数も600万人に上るといわれています。
糖尿病や高血圧などの原因で腎臓の機能が徐々に低下する慢性腎不全だと、進行に伴って腎臓の機能が失われていきます。失われた腎機能は回復することがほとんどなく、腎不全の末期症状になると、腎臓の代わりとなる透析治療が必要です。
全国会員数が9万人の一般社団法人全国腎臓病協議会(略称:全腎協)は、日本最大の患者会です。全腎協は、すべての腎臓病患者さんの医療と生活の向上を目的として結成された、透析患者を中心とする腎臓病患者の組織で、腎臓病に関わる制度や医療に関する情報を定期的に提供するニューズレターを発行しています。2015年第4号(7月7日発行)では、2014年末の透析患者数は前年より4,950人増え、319,388人(速報値)と伝えています。これは6月26日に横浜で開催された第60回日本透析医学会での発表です。
近い将来透析患者数がピークに達し、減少傾向へ
発表によると、新たな透析導入患者数は240人増の38,335人でした。導入患者さんの原因疾患の第1位は、糖尿病性腎症で43.3%、第2位は慢性糸球体腎炎の17.8%、第3位が腎硬化症の14.2%と続きます。透析患者さんの平均年齢は、前年67.2歳から0.3歳上昇し67.5歳、導入患者さんは前年とほぼかわらず、69歳でした。また、原因疾患別の平均年齢は、腎硬化症が最高で、前年74.6歳から0.5歳上昇し75.1歳でした。患者さんの高齢化の微増傾向が続いていることが見てとれます。
日本透析医学会によると、近い将来透析患者数はピークに達し、減少傾向へ転じることが予想されています。
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慢性腎臓病は、自覚症状がないまま進行するので、定期的な検査を受け早期発見することが重要です。生活習慣の改善や原因疾患の治療を早期に行うことで、腎不全の予防やコントロールし、重症化させないことが重視されています。(QLife編集部)
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