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高齢者に多い誤嚥性肺炎の予防と見逃さないために必要なことは

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2015年07月17日 12:00  QLife(キューライフ)

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QLife(キューライフ)

70歳以上の肺炎で入院した患者さんの80%の原因が誤嚥性肺炎

筑波大学附属病院ひたちなか社会連携教育研究センター呼吸器内科教授 寺本信嗣先生

 がん、心疾患に次いで日本人の死因第3位である肺炎。肺炎で入院した70歳以上の80%が誤嚥性肺炎で、年齢が上がるとともに割合も増えるという報告があります。2014年10月1日から成人用肺炎球菌ワクチンの公費助成制度がはじまって10か月。成人用肺炎球菌ワクチンを製造販売しているMSD株式会社が、「いま知っておきたい誤嚥性肺炎とその予防〜高齢者肺炎の見えないサインを見逃さないために〜」と題したメディアセミナーを7月15日に開催。ワクチンの定期接種の状況報告と筑波大学附属病院ひたちなか社会連携教育研究センター呼吸器内科教授の寺本信嗣先生を招いた「誤嚥性肺炎の原因や予防法」の講演が行われました。

誤嚥性肺炎の予防戦略

 世界保健機構(WHO)や国連の定義によると、総人口に対する65歳以上の高齢者が占める割合が7%を超えた社会を「高齢化社会」と呼び、14%で「高齢社会」、21%で「超高齢社会」といいます。現在の日本の高齢化率は、25%以上で20年後には30%を超えるといわれ、もはや定義すら追いつかない状況です。そうした社会状況の中、がん、心疾患に続き日本人の死因第3位の肺炎の中でも誤嚥性肺炎の予防が注目されています。

 通常の肺炎は、24〜72時間であっという間に病状が進行します、誤嚥性肺炎は、1〜3週間かけ、ゆっくりと病状が進むため、本人も家族も気がつかないということが多く見られます。いつもより「元気がない」「食欲がない」などは2大症状といわれ、うわごとをいう、失禁したなど日常とは違ったあらゆる変化は、肺炎のサインだといいます。また脳卒中後では、肺炎が起こりやすくなります。

 すべての高齢者はある程度の嚥下障害がありますが、食事の誤嚥や胃液の誤嚥では肺炎にはならないと寺本先生はいいます。なぜなら、肺炎は肺炎球菌をはじめとする細菌感染によるもので、細菌を含む咽頭や口腔内の内容物の微量の誤嚥よるものだからです。誤嚥性肺炎とは、細菌性肺炎と嚥下障害が加わったものです。そのため、抗菌薬で肺炎を治療しても嚥下障害のある人は誤嚥を繰り返し、また肺炎になってしまいます。誤嚥予防を行わなければ治療も不完全なのです。誤嚥性肺炎予防の基本戦略は、嚥下機能を改善すること、口腔ケアや呼吸器の特異的な治療、そしてワクチン接種が重要です。特にワクチン接種は、専門医でなくても行え、一定の予防効果が得られるので、誤嚥があっても肺炎を発症させないための有効な手段の1つです。

 しかし、2015年3月末時点での肺炎球菌ワクチンの推定接種率は全国で33%程度です。英国の68.9%、米国59.7%、オーストラリア54.4%に比べてもまだまだ低い数字です。65歳以上の人、養護老人ホームや長期療養施設などの居住者、慢性の持病を持っている人、その他免疫抑制剤を使い感染症にかかりやすい状態にある人、脾臓機能不全の人などは、成人用肺炎球菌ワクチンの接種が薦められています。医師に相談してみましょう。(QLife編集部)

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