TPPが鳴らす警鐘をどれくらい感じることができるのだろうか?

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2015年07月17日 12:40  キャラペディア

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2015年3月に制作本部への編入という形で、事実上の解散を言い渡された「小島プロダクション」が「最後の作品」として世に送り出す「METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAIN」。9月2日に発売が予定されており、6月にロサンゼルスで開催されたE3では、そのプレイデモが披露され話題を大きくさらった。


『キャラぺろふくろとじ(仮)』【メタルギアが鳴らす警鐘】はこちらから


 最近でも、声優の大塚明夫氏が「コジプロは解散させられてしまったが、チームの奮闘により作品はどうやらほぼ完成となった。掛け値なしに最高の傑作となった筈!早く「待たせたな」と言いたくて仕方ない(笑)。これが最期になったとしとも・・・MGS は 不滅 です!」とツイートしたことにより、またその話題は再燃し、ファンの間で「なぜ小島プロダクションが解散させられてしまったのか?」の憶測が飛んでいる。

 コナミから正式な言及がない為、結局、コジプロフリーク達はその「なぜ?」を想像するしかないのだが、そもそもメタルギアシリーズというのは、切り込んだスレスレの内容をゲームに練りこんでおり、戦争やアメリカ・・・そして社会に対する攻撃的な精神は、下手な映画や小説などよりもかなり過激なものとなっている。もしかするとそういった過激さも、コジプロ解散の謎を紐解く鍵になるのかもしれない。

 あくまでフィクションであるが、「AIによる情報統制」や「ナノマシンや遺伝子操作による兵士のコントロール」など、テクノロジーによる管理社会をシリアスに描き、ゲームの中で力強く言及していくのが「小島節」である。驚くべきは、MGS2(2001年発売)で愛国者達と呼ばれるAIが情報の検閲をしようとしていたという件で、「我々の目的はコンテンツの制御ではない、コンテクストの生成だ」と言い放つのだが、エドワード・スノーデンが暴露した「PRISM」なり、少し前のネット広告のトレンドである「ビッグデータの利用」などの思想はまさに、10年以上前にMGS2で語られたものであり、小島氏は世の中がこのような進化を遂げることを予見していたようにもみえる。その上で、「こうなったらこわいよね?」的な警鐘を鳴らし続けているのである。

 任天堂の岩田氏の死去に、LINEで様々な陰謀論が拡散されたのは記憶に新しいが、「ゲーム」のビジネスが非常に難しくなってきた昨今、小島プロダクショの解散は、一つの時代の終焉を意味しているのだろうか?と落胆するゲームファンの声もある。ゲームを取り巻く環境は、(見方によっては)日に日に悪くなっているのも確かで、高騰するゲーム制作費を回収する為にマイクロトランザクション(ゲーム内課金)との共存も一つの課題になっている。岩田氏がスマフォゲームへの参入を決断せざるを得なくなった状況も、昔からのゲームファンにとっては決して面白い状況ではないだろう。

 世相としてもゲームを取り巻く環境としても、だいぶ殺伐としてきた部分が否めないが、こんな時代についにメタルギアの年表が完成する「METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAIN」で小島氏が何を語るのか?ファンとしては非常に楽しみなのは間違いない。

 そこで、キャラペディア公式動画番組『キャラぺろふくろとじ(仮)』(毎週金曜日22時から生放送)では、『メタルギアが鳴らす警鐘』と題し、小島氏がメタルギアにて表現したものを、SF批評でも新鋭の「藤田直哉」氏と紐解き、その表現とゲーム制作ビジネスとの溝について考えてみたいと思う。同番組は本日(7月17日)22時からニコニコ生放送にて公開される。テーマに興味があるという方はぜひご視聴頂きたい。

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