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心血管イベント発生リスクを評価する臨床試験、糖尿病患者さんの安全な治療のために

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2015年07月30日 18:10  QLife(キューライフ)

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QLife(キューライフ)

新規糖尿病治療薬に求められる安全性

横浜市立大学内分泌・糖尿病内科教授
寺内康夫先生

 国民病といわれる糖尿病は、予備軍も含めると国内に2000万人以上に上ると推測されています。糖尿病は、進行すると虚血性心疾患や脳卒中などの心血管合併症の原因になるとの報告もあり、生命予後に重大な影響を及ぼすリスクを患者さんは抱えることになります。

 日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社と日本イーライリリー株式会社は、SGLT2阻害剤による心血管イベントの発生リスクに対する検討について、正しく理解するためのメディアセミナーを7月28日に開催。横浜市立大学内分泌・糖尿病内科教授の寺内康夫先生を招き、糖尿病患者さんの心血管イベントの基礎、疫学、大規模臨床試験の歴史についての講演が行われました。また、2015年2月に発売されたSGLT2阻害剤「ジャディアンス(R)」(一般名:エンパグリフロジン)の大規模臨床試験の概要と1年あまりの使用状況の説明がされました。

糖尿病治療の目標は健康な人と変わらぬQOLの維持

 2005年と2007年に日本未承認の新規糖尿病薬が、心血管イベント発生リスクを高める可能性が2005年と2007年にありました。それを受け、2008年にアメリカ食品試薬局(FDA)が、2型糖尿病治療薬の承認申請に対して、心血管イベントの発生リスクを評価する臨床試験を求める指導がありました。最も新しい作用機序である2型糖尿病治療薬のSGLT2阻害剤も、心血管発生リスクに関する大規模臨床試験が進行しています。

 FDAがガイダンスを発表した背景には、これまでの疫学調査で、重症低血糖と大血管、細小血管のイベントリスクの関係が示唆され、一部の経口血糖降下薬で、全死亡、非致死性心筋梗塞、脳卒中を合わせた相対リスクがコントロール群より有意に高まることが示唆されたことによります。

 2型糖尿病患者さんは、平均余命が5〜10年短いといわれています。治療は必要ですが、心血管イベントの発生リスクを増大させるものであってはなりません。そのため、糖尿病患者さんを対象とした心血管アウトカム大規模臨床試験が必要なのです。

 「糖尿病の治療の目的は、健康な人と変わらない日常生活が送れ、健康な人と変わらない寿命が確保できることです。そのため、血糖や血圧、脂質、体重の良好なコントロールにより、網膜症や腎症、神経障害などの細小血管合併症と冠動脈疾患、脳血管障害、末梢動脈疾患などの動脈硬化性疾患の発症や進行の防止することが大切です。これまで発表された糖尿病の合併症予防に関する大規模臨床試験では、厳格な血糖コントロールで細小血管合併症は予防されることが示唆されましたが、大血管障害に関しては、まだ評価が確立されていません」と寺内先生はいいます。

 心血管アウトカム試験の個別薬剤に対する評価が、FDAのガイダンス発表以降に義務付けられました。未知の部分が多いSGLT2阻害剤に関しても、心血管アウトカム試験により、ハイリスク患者さんへの安全投与に繋がる報告が期待されます。(QLife編集部)

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