SSDの1000倍速い「3D XPoint」が25年ぶりの革命をコンピュータに起こす

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2015年08月05日 17:10  FUTURUS

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FUTURUS(フトゥールス)

一昔前まではPCの記憶容量といえばHDD(ハードディスク)が主流だった。しかしここ“10年ほど”、特に小型モバイルPCが普及し始めてから爆発的に“SSD(ソリッドステートドライブ)が普及”し始めた。HDDより容量単価は高いものの、“読み書きが圧倒的に高速で”、振動にも強く小型化も容易。ノート型では特に普及が早く、カスタマイズの選択肢にSSDがないメーカーは少ないのではないだろうか。

なによりもその高速さに定評があるSSDだが、これも10年後には過去のものとなっているかもしれない。というのも“SSDの中身であるNAND型フラッシュメモリ”より“1,000倍速いメモリ媒体”が先日“Intelより発表”されたのだ。

3dxpoint3

1,000倍速く、1,000倍長寿命のメモリ

今回IntelとMicron Technologyより発表された『3D XPoint』という新しいメモリは、前述の通り従来のNAND型フラッシュメモリーより“1,000倍読み書きが早く、製品寿命も1,000倍長い”。更には“記憶密度も10倍高く”、1つのダイ当たり128ギガビット記憶できるので従来以上の小型化も可能となるのだ。

従来の記憶媒体であるNAND型フラッシュメモリは“約25年前の1989年に開発”されたものだ。この『3D XPoint』はそれ以来、“25年ぶりの革命”といえるだろう。

3dxpoint2

仕組み

従来のNANDフラッシュメモリが“電子”を移動させデータを表すのに対し、この『3D XPoint』はセルの材質自体の“抵抗”値を変化させることでデータを表す。これによりトランジスタが不要になり、またセル材質自体を活用できるため高密度化・スケール化が可能となる。

そして『Cross Point Structure』という専用のデータ構造を用いることで、NANDフラッシュメモリだとデータの消去・書換にブロック単位で行わなければいけなかったのに対し、“セル単位での消去・書換が可能”となる。これにより、従来より圧倒的な早さの読み書きと、製品寿命の向上が実現しているのである。

3dxpoint4

もちろん、この技術が一般に広く普及するまでにはまだまだ時間がかかるだろう。ただIntelとMicron Technologyは“年内にはサンプル出荷を開始”し、両社ぞれぞれで商品展開をはじめるとのことだ。最初はエンタープライズ市場での利用がメインとなるだろうがが、そう遠くない未来にはコンシューマー市場にも顔を出してくるだろう。

その頃には、我々のコンピュータ周りの体験は今とは比べものにならないほど進歩したものになるかもしれない。

このニュースに関するつぶやき

  • 調べると、DRAMより遅く、NANDより記憶密度が低く、DRAMよりはるかに書き換え寿命が短いらしい。要改良だな。
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