限定公開( 2 )
牛丼チェーンの「松屋」で、客が七味唐辛子の容器を口に付けている様子を撮影した写真がツイッターに投稿されて、炎上する騒動が起きた。
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写真は8月3日ごろ、ツイッターに投稿された。男性客が店のカウンターで、備え付けの七味容器のフタを開けて、口にくわえているかのような様子が写っている。まとめサイトなどで転載されて、投稿者に対する非難があいついだ。すでに投稿者のアカウントは削除されている。
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運営会社の松屋フーズは8月4日、公式サイトに「お客様に大変ご不快な思いをさせてしまいました」として、謝罪する文書を掲載。写真が撮影されたのは愛知県瀬戸市の店舗で、カウンターの七味はすべて廃棄したという。
さらに、松屋フーズは今回の客の行為について「法的対応を含め厳格な対応を検討いたします」と説明している。「法的対応」というと、どのようなことが考えられるのだろうか。田沢剛弁護士に聞いた。
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「まず、男性客がそのような写真をSNSに投稿した行為の責任を考えてみます。
不特定または多数の者に対して、この客は不衛生な行為をしています。店がこのような行為を見過ごしたことや、放置したこと、あるいは、これによって店の備品が不衛生なものとなっていることを示しています。
これによって、その店の名誉(信用)を傷つけることになりますので、名誉毀損罪(刑法230条1項)が成立します。したがって、店側としては、刑事告訴をすることが検討されるでしょう」
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田沢弁護士はこのように説明する。民事的には、どういうことが考えられるのだろうか。
「今回の行為によって、客離れを招いて、売上げが減少してしまったり、備品廃棄および交換等に費用がかかったなどいうことであれば、店側は男性客に対して、民事上の損害賠償責任(民法709条)を追及することもできるでしょう」
●店は「他の客」から責任を追及される可能性も
一方で、田沢弁護士は「店は他の客から責任を追及される可能性もある」と指摘する。
「他の客からすれば、店の備品が不衛生であることを知っていれば、絶対に利用しなかったはずだから、『利用したときの代金を返せ』というものです。
もちろん、返金を求める客が、本当に店を利用した事実があるのか否かなど、裏付けがないのに返金するわけにもいきませんので、その証拠をどこまで求めるのかといった問題はあります。
今回の男性客は、いったい何がしたくて、今回の行動に出たのか理解ができません。
ですが、短い時間で店側も阻止できなかったということであれば、やはり事後的な説明を含めて、どれだけしっかりした対応ができるかが、顧客の店離れを防ぐカギになるのではないでしょうか」
田沢弁護士はこのように述べていた。
(弁護士ドットコムニュース)
【取材協力弁護士】
田沢 剛(たざわ・たけし)弁護士
1967年、大阪府四条畷市生まれ。94年に裁判官任官(名古屋地方裁判所)。以降、広島地方・家庭裁判所福山支部、横浜地方裁判所勤務を経て、02年に弁護士登録。相模原で開業後、新横浜へ事務所を移転。得意案件は倒産処理、交通事故(被害者側)などの一般民事。趣味は、テニス、バレーボール。
事務所名:新横浜アーバン・クリエイト法律事務所
事務所URL:http://www.uc-law.jp
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