出世にも影響!?PMSや更年期障害にはホルモンケアを

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2015年08月14日 18:10  QLife(キューライフ)

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半数以上がPMSを理由に昇進を辞退もしくは辞退を考えたことがある

東京歯科大学市川総合病院 産婦人科教授 高松潔先生

 主として女性ホルモンレベルの変化が影響し引き起こされる、PMS(月経前症候群)や更年期障害。現在、女性管理職の割合を増やしていこうという国の動きがありますが、それを実現するには女性の健康に大きく影響する女性ホルモンの話は避けて通れないと言えます。ホルモンケア推進プロジェクトの調査によると、月経前の頭痛や倦怠感、イライラなどPMSの症状を6割の女性が自覚しているほか、閉経前後の40〜50代に起こる、ほてりや発汗、肩こり、疲労感などの更年期症状は8割の女性が自覚。

 職場で昇進を打診されたことがある女性のなかで、PMSを理由に昇進を辞退もしくは辞退を考えたことがある人は62.5%にのぼったことに加え、更年期症状を自覚している人の約半数が更年期症状を理由に昇進を辞退していることがわかりました。

エクオールを産生できるのは、2人に1人

 東京歯科大学市川総合病院 産婦人科教授の高松潔先生は、加齢による卵巣機能の低下によってそのレベルが低下するエストロゲンを補う成分として、エストロゲンと似た働きをする『大豆イソフラボン』が注目されていることを挙げました。「大豆イソフラボンの一つであるダイゼインという成分が腸内細菌によって代謝され『エクオール』という成分に変換されますが、これがイソフラボン関連の中では強いエストロゲン作用を持っています。最近の研究ではエクオールが、更年期症状をやわらげるのに有効であることがわかってきました」(高松先生)

 ただし、エクオールを産生できるのは、日本人では2人に1人。食生活の変化の影響か、20代前後では2〜3割とも言います。また、エクオール産生能をチェックするキットを提供するヘルスケアシステムズ社より、「大豆と食物繊維の摂取量が多く、運動回数が多い人ほど、エクオール産生者が多いことがわかっています」というデータも発表されました。

 さらに高松先生は、生活に支障をきたしている状態である更年期障害の人は約360万人もいると思われるものの、実際に治療のため婦人科を訪れる人はとても少ないという日本の現状を語り、「閉経は人生のターニングポイント。更年期症状の出方には個人差がありますが、症状の有無にかかわらず、女性の心身では確実に変化が起こっています。早めに婦人科を受診するとともに、早い段階から女性ホルモンの変化を理解して、適度な運動や食習慣の改善など、更年期症状が出にくい体づくりを始めておくことも大切です」と提言しました。(QLife編集部)

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