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専門家に聞いた。トンボは本当に眼を回しているの?

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2015年08月20日 20:12  教えて!goo ウォッチ

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写真専門家に聞いた。トンボは本当に眼を回しているの?
専門家に聞いた。トンボは本当に眼を回しているの?
筆者が子どもの頃、夏になるとトンボを捕まえようと指をクルクル回し、トンボの眼を回そうとしていた。同じような体験をした人は多いだろうが、「教えて!goo」には、幼少期必ず見かけていたトンボをここ数年見なくなったという質問者から、
「トンボを最近見ましたか?」という質問が寄せられていた。これに対して、

「お盆過ぎると毎年見ます。奈良の市街部のはずれ在住」(narara2008さん)、「川の土手沿いに住んでるためか、毎年見ます」(docomof08さん)、「確かに、見ないですね。都内でも年1〜2匹しか見れないですね、田舎へ行っても半減以下です」(haruimihitomiさん)などの回答が。特に都心に住んでいる人は、見かける機会が減ったと感じているようだ。

■気を失っているわけではなかった!?

話は戻るが、実際のところトンボは眼を回しているのだろうか。トンボ自然史研究所の生方さんにお話を伺った。

「頭部を回すという意味では、答えはイエスです。しかし、気を失う、気絶するという意味には該当しないでしょう。というのは、クルクル回したあとの捕まえ方が下手であればすぐに飛び去ることが多いので、自分の周りの環境条件に臨機応変に対応する行動をとれる態勢にはあるといえるからです」(生方さん)

草や枝の先にとまっているトンボは、大きい影の接近に対して“捕食者”である可能性のあるものと認識し、警戒モードになる。一方、目の前で不規則に飛び回る小さな物体は餌昆虫である可能性が高く、神経を集中させるそうだ。

「餌昆虫の特徴や動きの方向、速度を読み取り、いつ飛びかかろうかと、その動きに合わせて頭をクルン、クルンと向けることもよく見られます。人の指先をトンボの前でクルクル動かすときにも、同様の動きが観察されます。トンボは『捕食者ではなさそうだが、餌昆虫としては何か様子がおかしい。しかし餌かもしれない』と考えて、じっと集中して指の動きを追うのではないでしょうか」(生方さん)

トンボが餌取りモードでこのように集中した状態は、捕食者に対する注意力が大きく低下しているのではないかと話す。そのため、指をクルクル回すと簡単にトンボの翅をつかんで捕まえることができるようだ。

「以上の説明はあくまでも仮説であり、今後の実験的研究によってテストされなければ真偽はわかりませんが、私個人としては納得できるものです」(生方さん)

とのこと。それでは次に、トンボの生態についてもう少し詳しく教えてもらおう。

■トンボの寿命は?頭部以外の役割を教えて!

「卵、幼虫を含めた一生の長さでトンボの寿命を見た場合、最長の推定値は幼虫期間の長いムカシトンボで8年というのがあります。短いものでは幼虫期間が約40日のウスバキトンボがあります。終齢幼虫から脱皮して成虫になってからだと、最大2ヵ月程度生存します。長いものではオオアオイトトンボとアキアカネで、それぞれ3〜4ヵ月と4〜5ヵ月、さらに成虫で冬を越すオツネントンボでは10ヵ月にもなります」(生方さん)

これらは健康で長生きした場合の最大値だが、実際は、羽化後に天敵に襲われたり、寄生虫や病気に冒されて途中で死ぬ個体のほうが圧倒的に多くいるとのこと。なお、夏眠や冬眠をしている間は死亡率が意外と低いことが知られているらしい。
続いて、体の仕組みについて聞いてみた。

「胸の中には翅や脚の基部を動かす筋肉がしっかりと入っています。胸を覆う鎧のような外皮は、羽ばたきや脚の運動によって生じる力を受け止められるだけの厚みと形をもっています」(生方さん)

トンボの体は大きく分けると頭、胸、腹からなり、胸とは脚や翅が付いている部分のこと。腹部は消化器、内部生殖器、排出器などの内臓の主要部分を包み込んでいるが、

「とりわけ雌の卵巣(正確には卵巣小管の束)はそのほぼ全長にわたり伸びていて、成熟した雌は数の子を連想するほどの成熟卵を腹いっぱいに貯えています。さらに、雌は卵を産み付けるときの腕として腹部を自在に動かします。雄も、雌と交尾の際に腹部全体を自分の意図通りに動かします」(生方さん)

とのこと。ほかにも、個体間の威嚇や求愛誇示、翅の表面についたゴミなどを取り除いたりするために、トンボは腹部を器用に曲げて動かすのだという。

意外と知らないトンボの体の仕組み。もし次にトンボを見かける機会があれば、ぜひ観察してみてはいかがだろうか。

●専門家プロフィール:生方 秀紀(うぶかた ひでのり)
北海道教育大学名誉教授、トンボ自然史研究所代表。理学博士。世界トンボ協会元会長。トンボを中心に生態学、行動学、保全生物学の研究および著作・講演活動を行う。著書に『トンボの繁殖システムと社会構造』東海大学出版(共著)、『トンボ博物学‐行動と生態の多様性』海游舎(共同監訳)他。

(酒井理恵)

教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)

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  • 24画面で遊ぶ『マインスイーパー』登場…地雷は約3.8万個、地道すぎるためプレイヤーキレる http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=47&from=diary&id=3576027
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  • 。私がトンボが怖い理由、嫌いな理由。…弟に捕まえてくれと頼まれ、必死に指先をくるくるし続けたら、ぽとん…と首がもげ、頭が落ちたのを目の当たりにしたから。←実話
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