天然水と“RO水”を用いた実験を実施
猛暑が続くこの時期、ペットボトル入りの水を常用し、飲みかけのペットボトルを持ち歩く人を多く見かけます。そこで気になるのが「口飲み」したペットボトル内での細菌の繁殖です。とくに8月は、細菌の繁殖が活発化する時期。「口飲み」した後の水は安全なのでしょうか。
水の安全性について検証している「水を考えるプロジェクト」は、「口飲み」したペットボトルの水での細菌の増殖状態を調査。「口飲み」することを想定して、口の中にいる細菌の一種「カンジダ」を使用し、その繁殖状態を調べたのです。
試験に使われた水は、国産の天然水2種類と、ウォーターサーバーなどで多く利用されている逆浸透膜(RO膜)で処理した「RO水」、RO水にミネラルを添加した水の4種類。その結果、試験に用いた水の違いによって、細菌の繁殖に差があることがわかりました。
RO水ではカンジダ菌が減少!その理由は?
国産天然水2種類では、時間の経過と共に菌数が増加。一方のRO水では、菌数が減少する傾向にあることがわかりました。保管期間24時間までなら菌数に大きな変動はなかったのですが、48時間経過後以降、この傾向は顕著になりました。
なぜ、国産天然水では細菌が増殖し、RO水では逆に細菌が減少したのでしょうか。その理由は、細菌の増殖に必要な栄養成分の含有量が天然水とRO水によって違うため。RO膜でろ過されたRO水は、菌の増殖に必要な栄養成分も除去されてしまうのです。
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今回の検証の結果から、ペットボトルの「口飲み」はできる限り避けたほうがよさそうです。そうはいっても持ち歩きに便利なペットボトルの水は、この時期の必需品。「口飲み」した場合は、少なくとも24時間以内、つまり当日中には飲み切るのが良いでしょう。(下玉利 尚明)
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