世界三大スポーツイベントの一つ、「ラグビーワールドカップ(以下W杯)」開幕まで、あと3週間。日本代表は去年、世界ランキングで過去最高の9位に食い込むなど、歴代最強の呼び声も高く、さらに2019年のW杯は日本開催予定ということもあって、次第に盛り上がってきているようだ。
我々おたぽるも便乗して、ラグビー記事を作成しようとしたのだが……少ないのだ、ラグビーをテーマとしたマンガが。また、サッカーには『キャプテン翼』、バスケットボールには『スラムダンク』、野球では数えれきれないほどの、「これ!」という名作があるのだが、ラグビーではなかなか思いつかない。とりあえず、目についた作品をあげてみる。
『1・2の三四郎』(1978〜83年/週刊少年マガジン)
高校時代は柔道、ラグビー、卒業後はプロレスの世界を描いた小林まことのスポーツ&バトル・コメディー。今回あげた作品の中では一番のヒット作だろう。
『ウォー・クライ』(80〜81年/少年ビッグコミック)
不良少年たちを集めてチームを結成する、高校ラグビー部の物語。なんだかドラマの影響を感じるが……。作者は現在ではゴルフマンガで知られる竜崎遼児。
『スクラム』(82年/週刊少年ジャンプ)
『山下たろーくん』で知られるこせきこうじの、『たろーくん』連載前の作品。強気でビッグマウスなキャラが、『たろーくん』とまったく違っていて味わい深い。
|
|
『マドンナ』(87年〜92年/ビッグコミックスピリッツ)
くじらいいく子作。こちらは早見優主演でVシネマ化、OVA化もされたヒット作。ちなみにくじらいには『江の島女子高ラグビー部!!』という作品もある。
『ノーサイド』(94〜96年/ビジネスジャンプ)
池田文春による、大学ラグビー部もの。トライを決めたことのないまま死を迎えた主人公の霊が女性の体に入り込み、女子ラグビー選手としてトライを目指すという物語。
『ゲイン』(97〜98年/週刊少年サンデー)
『黄金のラフ』などで知られるなかいま強作。高校ラグビーを舞台とした物語。ギャグは変わらずおもしろく、アクションシーンも迫力あったが、長期連載はならず。
『HORIZON』(01〜02年/週刊少年サンデー)
こちらは『ガンバ!Fly high』の菊田洋之の作品。やはり高校ラグビー部が舞台。自分を変えたい、という主人公が先輩にもまれながら、ラグビーに目覚めていく。
『15 明刹工業高校ラグビー部』(09、10〜11年/ガンガンON LINE)
離島出身の主人公が、高校ラグビーを通じてチームメイトとの絆を築いていく。美麗なビジュアルで、ラグビーマンガには珍しく女性ファンも多い。成瀬芳貴作。
|
|
いかがだろうか。大ヒットといえるのは、ラグビーマンガにカウントしていいのか悩んだ末に入れた『1・2の三四郎』ぐらい。キラリと光る秀作はあっても、『キャプテン翼』『スラムダンク』に匹敵するかと言われると、困ってしまう。
なぜラグビーマンガにヒット作が少ないのか。ネット上の声を拾ってみると、「ルールがわかりづらい」「野球のような1対1の対決シーンが少ない」「1チーム15人と、プレイヤーが多い」「あまりTVでラグビーが放送されていないから」「競技人口が少ない」といったあたりが、理由として挙げられているようだ。
だが、「バスケはヒットしない」というジンクスをものともせず、超ヒットとなった『スラムダンク』、ラグビー以上になじみが薄いと思われる、アメリカンフットボールを題材としながら異例のヒットとなった『アイシールド21』など、優れた描き手がいれば題材が何であれ、ヒットするときはヒットするという声もある。
実際、13年から「月刊モーニングtwo」で連載開始した、雨瀬シオリの高校ラグビー部もの『ALL OUT!!』が全国高校ラグビー大会のポスターに起用されるなど、今後に期待できそうな作品も生まれてきている。
野球の甲子園に匹敵する「花園」という聖地、熱いチームスポーツの一面など、マンガの題材としてのポテンシャルはあるはず。ドラマ『スクールウォーズ』という大ヒットの前例もあることだし、実在のラグビー日本代表はサッカー日本代表よりも期待できそう。さらにW杯の日本開催という追い風もある。熱いラグビーマンガの登場が楽しみだ。
|
|
|
|
|
|
Copyright(C) 2024 株式会社サイゾー 記事・写真の無断転載を禁じます。
掲載情報の著作権は提供元企業に帰属します。