パーキンソン病の症状の重さをMRIで可視化!メカニズム解明につながる可能性も

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2015年09月03日 18:00  QLife(キューライフ)

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QLife(キューライフ)

パーキンソン病の早期診断につながる研究報告

画像はリリースより

 パーキンソン病は、世界で2番目に多い脳・神経疾患です。手足が震える、動きが遅くなる、筋肉が硬くなる、体のバランスが悪くなるなどが主な症状で、ドーパミンの減少が原因といわれていますが、ドーパミンの減少が脳のどの領域に影響し、どのような神経活動の変化を引き起こすかなどの発症メカニズムは諸説あります。

 脳腫瘍や脳卒中などパーキンソン病に似た症状を起こす病気がありますが、CTやMRI検査で判別ができます。しかしパーキンソン病は、血液検査、X線検査、CT検査、MRI検査では異常がみられず、確定診断法がありませんでした。

 東北大学大学院医学系研究科准教授の小山内実さんと同大学院博士後期課程の菊田里美さん、徳島大学薬学部准教授の笠原二郎さんらを中心とした研究グループは、パーキンソン病により、神経活動が増加している脳の領域をMRIで可視化し、増加の度合いがパーキンソン病の重篤度と相関関係がある領域を明らかにしました。

パーキンソン病発症のメカニズムの解明と早期診断に期待

 研究手法として使われたのが、MRIを使い神経活動を使いイメージングする方法で、活動依存性マンガン造影MRI(AIM-MRI)です。造影剤の2価マンガンが神経活動により細胞内に蓄積することを明らかにしたうえで、パーキンソン病のモデルマウスに対してAIM-MRIで全脳神経活動計測を行うというものです。

 この結果、パーキンソン病による神経活動が変化している脳の領域を同定することに成功しました。さらに症状の重さに関連して神経活動が変化している脳の領域も明らかになったそうです。

 この発見は、パーキンソン病の発症のメカニズムの解明につながる可能性があり、MRIを使った早期診断も期待されます。(QLife編集部)

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