3日付けの英科学誌『ネイチャー』に掲載された研究成果によれば、人類の文明が登場してから現在までに、地球上の樹木が半減したという。
確かに人類の文明は樹木の伐採を欲してきた。木材に使ったり燃料にしたり、農地を作るためなどにも伐採を続けてきた。他にも環境変化など間接的に樹木を枯らしてきたかもしれない。
その結果、現在地球上に存在する樹木が約3兆本になったというのだ。
これは結構衝撃的だ。何しろ人類が文明を持った歴史など、樹木の歴史からすれば、ほんの少し以前の話しだからだ。
現在の地球上の樹木は約3兆本
この調査は、アメリカやドイツなどの15カ国の研究者らによる国際研究チームによって行われた。
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研究チームは衛星写真の分析と、世界各地(但し南極大陸を除く)の43万ヘクタールに及ぶ地点で測定した樹木の密度のデータを組み合わせることで、地球上の樹木の数を割り出してみた。
そして、カウントしたのは地面から約1.3メートルの高さで、幹の直径が10センチ以上ある樹木だ。これが世界で約3兆本以上に達した。この数字は従来衛星写真の分析だけで行っていた推測値の7倍以上となったという。
樹木の43%は赤道付近の熱帯と亜熱帯地域に生えており、約1兆3,000億本になる。また、24%がアメリカ北部やスカンジナビア半島、そしてロシアなどの森林地帯で約7,500億本になるらしい。
人類の文明が始まって樹木が半減した?
ところがこの3兆本以上あるという樹木の数だが、人類が農業を始めたころを1万2,000年前とすると、その頃から比べて46%、つまり約半分近く減った結果だという。
しかも現在も毎年平均して150億本が消えているというのだ。これはどうやら人類の経済活動が原因らしい。
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そして研究チームによれば、現在は歴史上最も樹木が少なくなっている時代なのだという。また、減少の速度も驚くべき速度なのだ。
さすがにどうにかしなければ、とも思うが、年間平均150億本を補いつつさらに増やすという方法は、ちょっと想像できない……。
【参考・画像】
※ Global count reaches 3 trillion trees : Nature News & Comment
※ tangducminh / PIXTA
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