独自のAI技術で世界をリードトヨタが人工知能開発に約60億円の巨額投資、MIT・スタンフォード大と3強連携

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2015年09月09日 23:10  FUTURUS

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FUTURUS(フトゥールス)

トヨタ自動車が4日、クルマやロボットの知能化に関する研究を強化するため、AI(人工知能)研究センターを設立すると発表した。

同社はこれまでも、交通事故の更なる削減や高齢化社会の進展といった社会的な課題を背景に、“自動運転技術”や“高度運転支援システム”の研究開発に取り組んで来た。

1970年代からは産業用ロボットの開発に着手、パートナーロボットや生活支援ロボットの開発を進めるなど、その技術を積み重ねている。

トヨタが約60億円をつぎ込み、MIT・スタンフォード大と3強連携

そうした中、“AI”技術は、運転支援やロボット技術に更なる革新をもたらす可能性が高いだけでなく、社会活動全般を変革する可能性が高まっていることから、“AI”に関する研究開発を一層強化することにしたもの。

研究センターの責任者に『DARPA』(米国防総省主催のロボット競技大会)の元プログラムマネージャー、ギル・プラット博士を迎え、米マサチューセッツ工科大学(MIT)、米スタンフォード大学とも連携しながら研究を進める。

具体的には『CSAIL』(MITコンピュータ科学・人工知能研究所)のダニエラ・ラス教授、及び『SAIL』(スタンフォード人工知能研究所)のフェイフェイ・リー教授と連携。

トヨタは、この研究センターに今後5年間で約60億円の巨額を投じ、様々な環境における物体の認識や高度な状況判断、人と機械との安全な相互協調などを実現させ、クルマやロボット、情報サービスなど、将来の製品開発に幅広く応用していく考えとしている。

『CSAIL』所長のダニエラ・ラス教授は、「周囲の環境を認知し、安全に走行するための先進車両のアーキテクチャーを研究することで、交通事故死の低減や、事故を予防するクルマの開発に大きな役割を果たす」と、意気込みを述べている。

また『SAIL』所長のフェイフェイ・リー教授も「スタンフォード大が持つ視覚情報処理や機械学習、大規模データ解析などの技術に基づき、クルマが様々な状況下で物体や人の動きを認識、予測し、安全で適切な判断をするための技術開発に取り組む」としている。

両教授へのアドバイザー役を務めるギル・プラット博士は、会見で「今回の連携研究はモビリティを取り巻く課題をAI技術により解決しようとする、これまでにない画期的なもの」と評価しており、トヨタと両大学が力を合わせることで生み出される、相乗効果に期待を寄せる。

トヨタは米国屈指の両名門大学と連携することで、自動車メーカーの存在を脅かしかねないIT大手Googleが持つ“自律走行”技術に負けない、独自のAI技術で世界をリードしていく考えを示したと言える。

【参考・画像】

※ Toyota Establishes Collaborative Research Centers with MIT and Stanford to Accelerate Artificial Intelligence Research – TOYOTA

※ Toyota Investing $50M with Stanford, MIT for Autonomous-Car Research – MIT Technology Review

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