【冴え女シリーズ（５）】[私のハートもスウィーツに♪]２話（後半）「僕のこと好きですか？」

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【冴え女シリーズ（５）】[- 私のハートもスウィーツに♪ -]

■作品概要
漫画家を目指すフリーターの美奈は、アルバイト先の店長兼パティシエ卯月悠にひそかな想いを抱いていた。とある日の休憩時間、他愛もない会話で卯月が語るお菓子への想いを聞くうちにますます美奈は卯月のことが好きになり。たった１時間の休憩の間に恋は実る？


●２話（後半）「僕のこと好きですか？」


卯月「うーん、威厳って、どうやったら出るんでしょうねぇ……」

美奈「キャラにもよると思いますけど、」

卯月「ヒゲでも生やしたら……」

美奈「多分、本気で似合わないのでやめてください」

卯月「若いときに働いていたフランスのパティスリーでは、店長が口ヒゲを生やしていたんですよ。彼はすごく恐かったなぁ。僕もたくさん怒鳴られました」

美奈「怒鳴るんですか？」

卯月「そうなんです。スタッフが二十人以上いる大きなお店で、厨房もバタバタしているから、少し大きな声を出したぐらいじゃ店舗の方へは聞こえないんですけど……たくさんの人を統括しようとすると、こういう示威行為が必要なのかなって、当時は納得していました」

美奈「……そんな状態で美味しいものって作れるんですか？」

卯月「それが、素晴らしく美味しいんです。もちろん、お客さんは厨房でそんなことが起こってるなんて知りませんし。彼は温度管理や生地のキメに関してすごくこだわっていて、そのルールが守られていないところを発見すると『お前は俺の店に要らない！』って」

美奈「こわっ！」

卯月「出来上がってくるお菓子は、焼き色もきれいで、口当たりもとても良い。でも、未だに彼の店のお菓子を食べると胃がキュっとしますね」

美奈「気分的に美味しくないですよね……」

卯月「そうそう。それにね、今の僕は思うんです。生地も、人の声を聞いてるんじゃないかって」

美奈「生地が？」

卯月「お酒にクラシック音楽を聴かせて熟成すると美味しくなるって、聞いたことないですか？あれと同じで、ケーキやクッキーの生地も周りの声や音を聞いてるんだろうなー、と」

美奈「だから、卯月さんはお店で怒らないんですね」

卯月「元々、怒るのが苦手なんですけどね。でも、みんなが仲良く楽しんで作っている厨房からは美味しいものが出来るって、僕は信じてます」

美奈「私も……そう思います」

卯月「お菓子がふくらむのはただの化学反応だけど、僕は魔法だと思いたい。そういう僕の思想に付き合ってくれる人たちの集まりなんです、ここは」

美奈「ふふ」

卯月「こんなことばっかり言ってるから、松田さんに叱られるんですけど」

美奈「彼女は、半分管理職みたいなものですからね」

卯月「ああいう人がいてくれないとダメなんですよ。ほら、僕の大好きなアニメの『宇宙海賊ユニバース』でも、船長って仲間思いだけど夢見がちでしょ？でも周りがしっかりしているから、ちゃんとやっていけてる。あれって組織の理想形ですよね！」


【冴え女シリーズ（５）】[- 私のハートもスウィーツに♪ -]３話（前半）へ続く


●出演キャラクター

卯月悠（うづきゆう）36歳：パティシエ
島崎美奈（しまざきみな）24歳：フリーター

●声優および制作クリエイター

シナリオ：藍沢涼
イラスト：三月涼
男性声優：涌井直輝
女性声優：菜月ありさ

●アプリ概要

様々なシチュエーション、たくさんのイケメン＆イケボ男性との１時間のオリジナルラブストーリー（ボイス＆アニメーションドラマ）を集めた、女子のための図書館、もしくは映画館のようなラブドラマアニメーションアプリです。