いくらAppleファンでも、正直なところMacBookやiPhoneのバッテリー持続時間に満足している人は少ないだろうし、充電の頻度が煩わしいと思う人もいるだろう。ひとたび充電ケーブルを離せば、みるみるうちにインジケータが減っていくのは、もはや見慣れた光景だ。
しかし、どうやらApple社は、そんな頭を悩ますAppleユーザーたちに対し、見て見ぬ振りしているワケでは無さそうだ。
それは、Appleが出願した特許から想像できるかもしれない。なんと、同社は、“燃料電池”の開発に取り組んでいるようなのだ。
つまりどういうことかというと、これが実現すれば、モバイル機器は週末だけ燃料を注入すれば、平日は充電する必要がない、という素晴らしい製品が登場するかもしれないのだ。
カートリッジ式の燃料電池を内蔵?
『United States Patent Application 20150249280』として公開されたアップル社の特許は、『Fuel Cell System to Power a Portable Computing Device』と題されている。
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つまり、“携帯用コンピュータに電力を供給するための燃料電池システム”だ。
これはなんとも期待させるタイトルではないか。要は、MacBookなどを、数日から数週間にわたって、外部からの電源に接続することなしで、使い続けることができることになりそうなのだ。特許は2015年3月16日に出願されている。
この特許によれば、モバイルデバイスには、燃料スタックや冷却ファン、内部バッテリー、温度センサーなどが組み込まれるらしい。外部には燃料カートリッジが描かれている。
ただ、まだ特許が公開されたという段階で、すぐに製品化が実現するというわけではないのであしからず……。
……が、既に実現した企業があった!?
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もう実現できていた!?
なんだかあまりにタイミングが良すぎる気がするが、8月22日の『The Telegraph』で、英企業のIntelligent Energy社がiPhone 6に燃料電池を内蔵することに成功したことが報じられたのだ。
厚みを変えていない筐体に、初めて燃料電池が内蔵されたことになるという。偶然なのか、何か絡みがあるのか分からないが、Appleの特許の通り、燃料電池と内蔵バッテリーが組み合わされているようだ。
しかも、本体デザインには変更を加えることなく、唯一背面に、水蒸気を排出するための穴が開けられたくらいだという。
これでなんと、1週間充電不要になるというから、「待ってました!」と声を上げたいユーザーは多いだろう。
まだIntelligent Energy社では、実用化に向けて開発途上にあるが、年間3,000億ポンド(約55兆円)の市場があると皮算用している。また、製品化は2〜3年以内を可能としている。
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ただ同誌では、Intelligent Energy社とApple社との関係についてはコメントされていない。
いずれにせよ、モバイルデバイスの駆動時間が、劇的に延びる可能性が出てきたと言えそうだ。
【参考・画像】
※ Fuel Cell System to Power a Portable Computing Device – APPLE INC.
※ Revealed: the first hydrogen-powered battery that will charge your Apple iPhone for a week – Telegraph
※ GaudiLab – Shutterstock
※ Alliance / PIXTA