“やりたいこと”が先にあるのか、“先進技術”が先にあるのか、ちょっとわからないのがイマのスマートフォンというデバイスだ。材料を提供すれば世界中のデベロッパーが、アイディアを駆使して新しいアプリを登場させる。
先ごろ発表された『iPhone 6s』にも、料理しがいがある先進技術が搭載された。iPhoneは毎年のように新型が発表されるが、今年の変化は比較的大きいといえるかもしれない。そして、その『iPhone 6s』の使用感を紹介しているのが、以下の動画だ『iPhone 6s and 6s Plus | Hands On – YouTube』だ。
■1:タッチの強さで操作ができる「3Dタッチ」
なんといっても最大の目玉は“3Dタッチ”だろう。これまでのタップやスワイプ、ピンチといった平面的な動作に加えて、タッチスクリーンを指で押す“圧力”を検知するようになった。これによって、ちょっと強く押せばメールの中のリンクをチラ見でき、さらに強く押せばそれをSafariで本格的に開ける、という操作が可能になった。
また、ホーム画面で使えば、各Appでよく使う動作にすぐアクセスできたり、という機能が付加された。もちろんこれは、“3Dタッチ”が導入されて最初の機能なので、今後このメカニズムを活かした、さまざまな使い方のアイディアが出てくるだろう。
■2:普及の先駆けに?高画質「4Kビデオ」
また、ここ最近話題になっている“4Kビデオ”の撮影ができるようになったことも大きい。まぁ、ただ撮ってiPhoneで見るだけなら、4Kもの画質はいらないし、あんな小さいレンズで4Kを撮っても映像の鮮明さはたかが知れてるし、動画のデータ量はやたら増えるし、と気になる点はままある。
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しかし、例えばデジタルズームで拡大しても画像が劣化しにくくなったり、4Kテレビなどの別のデバイスで再生する際の鮮明さが、従来と大きく変わってくるかもしれない。この機能が、一般への4K映像の普及に大きく貢献することになっていく可能性がある。
■3:静止画に躍動感が!? 思い出蘇る「LIVE PHOTO」
カメラにはユニークな機能がひとつ加わった。それは“LIVE PHOTO”というものだ。一見ただの静止画だが、その画像を強めに押すと、静止画の前後を記録した短い動画が再生されるというものだ。静止画と動画の融合ともいえるもので、新しい表現手法といえるのではないだろうか。またこの“LIVE PHOTO”は、ロック画面にも使用できる。
実際のところ、“LIVE PHOTO”などは、どれほどのユーザーが使うのかわからない。“3Dタッチ”による操作だって、ある程度積極的に新機能を使ってやろうというユーザーしか飛びつかないかもしれない。しかし、新しいものを出してきたことも、また事実。1枚1枚の写真に、思い出が躍動感をもって甦るというのもロマンチックだ。
あとは、これを使うユーザーや、アプリを開発するデベロッパーに委ねるというところだろう。
かつて、“技術”とは、思いついた“アイディア”を実現するために開発されていくものだった。しかし、スマートフォンやタブレット端末のジャンルでは、その関係がちょっと変わってきたように思う。
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“アイディア”と“技術”のデッドヒートが始まったのだ。スマートフォンの魅力は「なにが出てくるかわからない」というところにあるのかもしれない。
『iPhone 6s』そして『iPhone 6s Plus』に搭載された、“3Dタッチ”や“4Kビデオ”、“LIVE PHOTO”は、なにを生み出していくだろうか?
【参考・動画】
※ iPhone 6s and 6s Plus | Hands On – YouTube
【画像】
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※ www.BillionPhotos.com / Shutterstock