解明されていなかったビフィズス菌の謎、他の腸内細菌と相互に働く仕組みとは?

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2015年09月18日 12:00  QLife(キューライフ)

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ビフィズス菌はどうして身体にいいの?

画像はリリースより

 整腸作用がある「ビフィズス菌」。森永乳業株式会社が発見した「ビフィズス菌BB536」は、腸の疾患だけでなくアレルギーなど腸以外の疾患も改善する効果があるとされています。ところが、そのメカニズムは、これまで明らかにされていませんでした。

 そこで同社は、理化学研究所、慶應義塾大学と共同研究を実施。ヒトが持つ腸内細菌を定着させたマウスで、ビフィズス菌BB536を14日間摂取させたグループと、摂取させなかったグループを調査。ビフィズス菌BB536の作用や腸内環境への影響を評価しました。

 その結果、ビフィズス菌を摂取したマウスは摂取しなかったマウスと比べて、酪酸やビオチン、ビオチンの前駆体物質であるピメリン酸の増加が見られました。酪酸は腸管細胞のエネルギー源になったり、腸内の免疫細胞に影響を与える物質。ビオチンは細胞に必須のビタミンです。

腸内細菌との相互作用を確認

 また、この腸内環境の変化がビフィズス菌BB536によるものなか、他の腸内細菌を介した効果なのかを確認するため、今度はビフィズス菌BB536のみを有するマウスと無菌マウスとを比較しました。すると、酪酸とピメリン酸の増加は認められなかったのです。

 これらの結果から、ビフィズス菌BB536は酢酸や乳酸、ビタミンB群などを自ら作り出すだけでなく、他の腸内細菌と相互作用することで、ビフィズス菌以外が作る酪酸やピメリン酸などの有用物質の量を増加させていることが明らかになりました。

 つまりビフィズス菌BB536は、直接的に生成する酢酸などで腸内環境に影響しているのみならず、腸内細菌に作用することで腸内環境に対し大きな影響を与えている可能性があるのです。ビフィズス菌BB536以外にも、巷では身体に良いとされるさまざまな菌を含んだ食品が販売されています。今後、こうした菌が持つ未解明の謎が解明されることに期待が寄せられます。(林 渉和子)

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