大人なら知っておきたい、分散型エネルギー「ガスコージェネレーション」

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2015年09月18日 23:00  FUTURUS

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FUTURUS(フトゥールス)

クリーンな都市ガスを使って電気と熱を取りだし、利用するシステム『ガスコージェネレーションシステム』。

ガスで発電すると同時に、廃熱を給湯や空調、蒸気などの形で有効に活用することが可能で、優れた環境性や省エネルギー・省コスト性、エネルギーの供給信頼性といったメリットがあるという。

将来のエネルギー問題に対し、広範な分野で代替エネルギーの可能性を模索する動きが見られるなか、理想的な“分散型エネルギーシステム”として注目を集めている。

ガスコージェネレーションシステムとは

1棟のビルからエリア一帯を対象とするもの、ほかにも医療・福祉施設、大型ショッピングセンター、工場、そして集合住宅、一般家庭まで、さまざまな規模の施設で利用することができるのもポイント。規模に合わせたシステムで発電し、廃熱は、給湯、冷暖房、寒冷地では融雪など、その量に応じて活用しているということだ。その方式として以下の3つが挙げられる。

ガスエンジンで発電機を駆動して発電し、同時に排ガスやジャケット冷却水から廃熱を回収して、冷暖房・給湯などに利用する“ガスエンジンシステム”。

ガスタービンで発電機を駆動して発電し、廃熱は蒸気の形態で回収して冷暖房・給湯などに利用する“ガスタービンシステム”。

水の電気分解と逆の反応を利用し電気を作り、同時に発生する熱を回収する“燃料電池”。

東京ガスを中心に進める新たな取り組み

最近も東京ガスを中心に、この『ガスコージェネレーションシステム』に関する興味深い取り組みが進められている。三菱重工業、三浦工業、神戸製鋼所のメーカー3社と共同で、ガスエンジンの廃温水を蒸気として、高効率に回収する『コージェネレーションシステム』を開発し、7月から販売を開始した。

幅広く導入されている“ガスエンジンシステム”だが、中・大型規模のシステムを導入することが多い工場では、蒸気を加熱や殺菌等の生産工程に幅広く利用できる一方で、利用先が限定される温水は使い切れずに、廃熱の利用率が下がってしまうケースもあったという。

今回のシステムでは、メーカー3社それぞれが市場投入している製品をベースに組み合わせ、ガスエンジンの廃熱を、温水から蒸気に効率よく変換し利用することを可能にしたのだ。

その結果、蒸気回収効率が18.4%から28.4%と約10%向上し、電力と蒸気を合わせた総合効率も、約71%を達成したということだ。

震災以降、分散電源としての役割を期待され、国のエネルギー政策上、より重要な位置づけになった『ガスコージェネレーションシステム』。

これからの都市開発では、このシステムでつくった電力を利用することで、“安心”と“省エネ”が実現できるのかもしれない。

【参考・画像】

※ 電気をつくる際の廃熱を冷房・暖房・給湯・蒸気などに有効利用 – 東京ガス

※ ガスエンジンの廃温水を蒸気として高効率に回収するガスエンジンコージェネレーションシステムの開発について – 三菱重工

※ P. Chinnapong / Shutterstock

※ Peefay / Shutterstock

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