『極上生徒会』は2005年春から放送された、私立宮神学園という女子校を舞台にした学園日常アニメです。コナミが初めてテレビアニメを起点として、メディアミックスを展開した作品でもあります。今回ご紹介する「神宮寺奏」は、宮神学園のトップに立つお方。まだ10代の高校生にも関わらず、宮神学園の創設者にして生徒会長という、とてつもない肩書きをお持ちです。さらに日本屈指の財閥である神宮寺財閥の直系で次期当主という、まさに完全無欠のお嬢様。今回は、そんな「神宮寺奏」の魅力についてご紹介したいと思います。
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■スタイル抜群で昼行燈?
全体的に大人っぽく、スタイルもモデル並みで抜群のプロポーションです。第10話で登場した極上生徒会の人気ランキングでは、そのルックスとスタイルで堂々の第1位。学園の制服ではなく、スーツを着たりするともはや学生には見えません。「蘭堂りの」と並んでいるとまるで親子・・・。りのが子供っぽすぎるというのもありますが・・・。
前述のとおり、黙って立っていればきれいなお姉さんです。しかし、口を開くと話は違ってきます。落ち着いた口調で一見問題なさそうに見えますが、少し中身がボケています。第10話の人気ランキング第1位を受け、照れながら「私はどこにでもいる普通の女の子だし・・・みんなに注目してもらうことは何も・・・」。これだけの肩書きを持っていながら、自分を「普通」と言えるところが素敵です。また第26話では、卒業生代表の祝辞を言う前にマイクテストをしてしまうボケを披露。才色兼備で完璧そうに見えますが、実は色々と抜けています。
神宮寺財閥という恵まれた環境で育ったせいなのか、ガツガツしておらずマイペースなのんびりさん。もしかしたら、ちょっとしたスキを見せることで相手もスキを見せて打ち解けやすくなる。そんな、自然と身に着いた彼女なりの処世術なのかもしれません。本人にその自覚があるかどうかはわかりませんが、このような“ユルさ”もまた、人を引き付ける魅力のひとつになっていると思います。
■自分の意志で決めたのなら・・・
第12話で明かされますが、奏は神宮寺家で自由のない生活を長らく送ってきました。それは何一つ自分の意志で決める事のできない、子供らしい夢すら持てない、とても窮屈な世界だったようです。それ故に、“自分で決めること”にこだわります。自分で創設した宮神学園も、自主性を全面に打ち出しています。悪い結果になるとわかっていても、自分で決めたのならそれで良しとして、全て受け止めるのです。極上生徒会の面々が様々な局面で選択していく事に対しても、寛大なことが多いです。
「矩継琴葉」が、神宮寺家から奏を追って宮神学園にやってきた御庭番だとわかっていても、琴葉が自分の意志で決めて来たのなら良いと不問で受け入れました(第16話)。「桜梅歩」がアイドルになりたいと言い出した時も止めませんでした(第20話)。奈々穂に至っては、自ら「自分で決めたことだから」と言って奏のそばにいます。“自分で決める事”を日常的にやっておかないと、実際に手痛い目に遭うことを分かっているからこそ、強く推進するのでしょう。
その一例が彼女のファッションセンス。第10話ではダサダサの水着姿を披露しています。おそらく自分で服を選んだ事がないから、こうなったのでしょう。私服姿のシーンもありますが、あれをどうやって選んだのか気になります・・・。しかしながら、そんなダメっぷりもまた、彼女の魅力なのかもしれません。
一見すると、ユルくてスキの多いお嬢様「神宮寺奏」。しかし、内情は身内の都合に翻弄される一人の女の子。作中ではあまり明らかにされていないことも多くありますが、そこがまたおもしろい人です。真相について奏に聞いても無駄なのでしょう。作中で奏が何度か口にするように、「さぁ、どうかしら?」とはぐらかされるのが関の山です。もっとも、それは見えない方が幸せなのかもしれません。
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★記者:ろっぷろっぷ(キャラペディア公式ライター)