鳥居なごむ先生によるライトノベル作品『境界の彼方』。アニメ化はあの京都アニメーションが手掛けました。「妖夢」という存在がはびこる世界。妖夢とは人の怨嗟が形になったものであり、彼らを討伐する存在が異界士です。今回ご紹介する「新堂彩華」は、実は人間ではなく妖夢です。妖夢と言っても普段は人の姿をしているので、普通の人には妖夢であることは分かりません。着物を着飾った京風美人で、やはり京都風のやんわりした話し方が特徴。ちなみに本来の妖夢の姿は、大きな狐のような見た目です。
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■美人経営者
喫茶店と写真館を経営しており(※原作では和菓子店を経営)、主人公の「秋人」(神原秋人)も、写真館の常連さん。さらに、異界士相手には「妖夢石」の鑑定もおこなっており、強力であったり入手が困難な妖夢石は高く買い取って貰えます(妖夢石とは、悪さをする妖夢を討伐した際に入手できる特殊な石。ちなみにこの業務は異界士協会公認)。
普段は一緒に同居している「愛」(新堂愛)と2人で店を切り盛りしていますが、時々、秋人の友人の「美月」(名瀬美月)や「未来」(栗山未来)もアルバイトを任されるようです(ちなみに愛も妖夢)。
■物腰柔らかい京都美人
着物を着飾り、特徴的な京都訛りでおっとりと話す姿には安心感があります。とても面倒見が良く、同居している愛に限らず、他人である秋人たちの事も気にかけているようです。秋人は人間と妖夢のハーフで、かつて妖夢の力が暴走してしまい、周りの大事な人を傷つけてしまった事件を引きずっています。その事を彩華さんは見抜いており、秋人の事をとても心配していました。その様子はまるで子を見守る母親そのもの。経営する写真館&喫茶店もレトロな感じがGood。こんな良い人がいるお店なら毎日でも通ってみたいですね。
■強大な力を持つ妖夢
彩華さんは狐の妖夢なので、本来は大きな狐の姿をしています。どちらかと言うと、神話や伝承に登場する“九尾の狐”の方がイメージとしては近いかもしれません。その実力は未知数で、妖夢の力が弱まってしまう現象「凪」が訪れた時でさえも、強大な力を発揮させました。こう表現すると、「怖い」と思ってしまいそうですが、見た目は少しデフォルメされた狐のような姿なので、「ちょっぴり可愛い」と思ってしまうのは私だけでしょうか(笑)。
■毒舌家な一面も・・・
普段は優しいお姉さんという感じですが、時々「毒」が垣間見える事も。特に、秋人の母親である弥生(神原弥生)には容赦がなく、いい年してぶりっこする弥生に対し、「熟してるのと腐ってるの境界線ってどこなんやろな?」と真顔で呟いたり・・・。また、未来がお金に困った時に、「非常にレアで凶暴性のない果実型の妖夢が近くにいる」事を教えてくれるのですが、奮起して未来が立ち去った後に「ひとつ問題がある」と言い出し、周囲に「わざとだろう・・・」と言われるシーンがあります。その後、未来が大変な目に合うのは言うまでもありません(笑)。
個人的には、コスプレをした(させられた)未来の写真を撮ろうとした秋人のスマートフォンを取り上げ、手で銭の仕草をしてにっこりするシーンがお気に入りです。また、前述した秋人の母親の弥生に対して言った「熟してるのと腐ってるの境界線ってどこなんやろな?」という場面。「彩華さんの地雷を踏んでしまった(笑)。」という瞬間が面白いです。ちなみに、お祭りに行く愛の着物の着付けをしてあげる彩華さんの姿も、母性が溢れていて素敵です。
2015年春にTV版の総集編にあたる「過去編」と本編のその後を描いた完全新作の「未来編」計2本の劇場映画が公開されました。過去編は展開が少し駆け足なので、視聴するならばTVアニメ版を見てからがオススメです。既にTVアニメ版を見ていても、過去編には未来編に繋がるオマケもありますので、ぜひご覧になってみてください。個人的な感想ですが、未来編を終えてもなお、まだまだ物語の序章である気がします。彩華さんは、登場人物の中でも謎が多く、写真館を開くに至った経緯やどうして妖夢である彼女が異界士協会の公認を貰えたのかといった部分も明らかになったら嬉しいです。気になった方はぜひチェックしてみてください。今後も『境界の彼方』の新しい展開に期待したいですね。
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★記者:真夏日(キャラペディア公式ライター)