映像の世界で最近話題なのが“4K動画”。
地上デジタルテレビで見られるHD(ハイビジョン)やフルHD(フルハイビジョン)の4倍以上の解像度を持ち、さらに鮮明で美しい映像が楽しめるもので、最近各メーカーから4K撮影対応のデジタルカメラが続々と発売されている。
中でも、パナソニックが2014年に発売した『LUMIX GH4』は、世界初、4K動画を内蔵メディアで記録可能なミラーレス・デジタル一眼レフカメラだ。
その『LUMIX GH4』を使用して撮影された4Kショートフィルム『金魚 – GOLDFISH』の完成披露試写会が、9月7日にデジタルハリウッド大学(東京都千代田区)で行われた。
実証実験プロジェクトとして製作
この映画は、ビギナーでも使いこなせるデジタル一丸レフながら、ハイクオリティな4K動画撮影ができる『LUMIX GH4』を使った、実証実験プロジェクトの一環として製作されたものだ。
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デジタルコンテンツやIT関連の教育を行う、デジタルハリウッド大学やパナソニックなどが協力。メガホンをとったのは、デジタルハリウッド大学OBで米UCLA Extensionを卒業した若手、藤井翔監督だ。
デジタル一眼レフカメラを使った動画自体は、キヤノン・5Dの発売以来、映画やTVCF、PVなどで数多くの映像が現在でも撮影されている。
だが、4K映画の撮影を一眼レフで行った例は、まだあまりない。しかも、『GH4』は、最近対応モデルが多く出てきている“4K動画”よりさらに高解像度、“C(シネマ)4K動画”の撮影が可能。劇場の大スクリーンでも、十分にハイクオリティな映像が楽しめる高機能を持つモデルだ。そのポテンシャルを実証するための映画が、今回の『金魚 – GOLDFISH』なのだ。
海のしぶきや花火がリアルで立体的
映画は、30分のショートフィルム。主人公の女の子が経験する、“大人の女”へ成長する夏の出来事を描いている。 主人公の奈菜には、NHK大河ドラマ『花燃ゆ』などにも出演する女優、永峰 絵里加。他に、松田シオン、島田美智子、杉本暁海などが出演。脚本は中島 桃果子。
試写会は、大学内ホールにて行われた。プロジェクター投影式の上映だったため、劇場のスクリーンに比べると画質はやや劣る感じがしたが、それでも映像の美しさは十分に実感できた。
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しかも、青春の夏に欠かせない「海の水しぶき、花火、星空」などが、すごく立体的に見える。リアルさでは3D映像以上(もちろん3Dメガネ不要)。ちゃんとした設備の劇場なら、もっとそのすごさを実感できたに違いない。
とにかく、比較的低価格(市場価格で10万円程度)な一般向けカメラなのに、この映像が撮れるのはすごい。発売以来、プロからも注目されているようで、9月17日には、編集工程でより滑らかな階調の映像表現を可能にする“V-Log L”機能も追加されるそうだ。
今後この映画は、海外の映画祭などへの出展を目指す予定。まだ一般公開の予定はないものの、予告編がYouTubeや公式ホームページで公開中。画質設定すれば4Kクオリティの映像が楽しめる。
【参考・画像】
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※ 藤井翔監督の4Kショートフィルム映像作品『金魚 – GOLDFISH 』キャスト・クルーの舞台挨拶付き完成披露試写会を開催 – PR TIMES
【動画】
※ Panasonic × DHGS / 金魚予告編 – Trailer of Goldfish (Shot by GH4 in 4K) – YouTube