【冴え女シリーズ（５）】[私のハートもスウィーツに♪]８話（後半）「話を聞いてくれますか？」

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【冴え女シリーズ（５）】[- 私のハートもスウィーツに♪ -]

■作品概要
漫画家を目指すフリーターの美奈は、アルバイト先の店長兼パティシエ卯月悠にひそかな想いを抱いていた。とある日の休憩時間、他愛もない会話で卯月が語るお菓子への想いを聞くうちにますます美奈は卯月のことが好きになり。たった１時間の休憩の間に恋は実る？


●８話（後半）「話を聞いてくれますか？」


美奈「気付いて頂けて何よりです……」

卯月「二年になった年、僕は作戦を展開しました。名付けて“マスコット大作戦”！」

美奈「まさかのネーミングセンス皆無……？」

卯月「冷たくするのがダメなら、全員と付かず離れず、それでいてみんなから愛される、クラスのマスコットキャラクターになってやる！それが僕の考えた作戦でした」

美奈「十九歳でよくその境地に至りましたね……」

卯月「前の年の僕を知っている一部の女の子は、僕のキャラチェン振りにかなり戸惑ったようですが、作戦は成功しました。僕は徹底的にムードメーカーになって、クラスの中では、僕への不可侵条約が結ばれていたそうです」

美奈「不可侵条約……」

卯月「“卯月はみんなの卯月にしておくこと。占有物にしようとしないこと”という内容で……」

美奈「もう、一体なんなの！？製菓学校って恐い！」

卯月「ね、恐いところです」

美奈「でも原因は卯月さんですよね？」

卯月「そうですか？」

美奈「自覚はないの！？」

卯月「僕じゃなくても、女の子がいっぱいいる場所って、きっとああいうアクシデントはあると思うんですよねぇ」

美奈「そういうものでしょうか……」

卯月「……親切にはするけど、過剰に優しくしないこと。特定の誰かと親しくなってきたな、と感じたら、少し離れること。それを徹底して、全員と均等な距離感を僕は保ち続けました。卯月は卒業まで、みんなの卯月であり続けたんです」

美奈「処世術、ですよね。それって」

卯月「ええ。不誠実な奴です。この件で僕はずいぶん勉強になりましたが、結果として、女性が少し苦手になってしまいました」

美奈「そ、そうなんですか！？そんな風に見えない……」

卯月「マスコット大作戦は、今でも展開中なんですよ。きっと」

美奈「今でも……」

卯月「幻滅、しました？」

美奈「……あの、卯月さん」

卯月「なんです？」

美奈「女性が苦手ってことは……ひょっとして……」

卯月「え？」

美奈「だ、男性がお好きとか……？」

卯月「えぇっ！？いいえ、違います！そういうわけではありません」

美奈「なんだ……」

卯月「残念そうなため息をつかないでください……」

美奈「いえ、それは冗談なんですけど……卯月さん、」

卯月「はい？」

美奈「どうして、私にそんなお話をしてくれたんですか……？」


【冴え女シリーズ（５）】[- 私のハートもスウィーツに♪ -]９話（前半）へ続く


●出演キャラクター

卯月悠（うづきゆう）36歳：パティシエ
島崎美奈（しまざきみな）24歳：フリーター

●声優および制作クリエイター

シナリオ：藍沢涼
イラスト：三月涼
男性声優：涌井直輝
女性声優：菜月ありさ

●アプリ概要

様々なシチュエーション、たくさんのイケメン＆イケボ男性との１時間のオリジナルラブストーリー（ボイス＆アニメーションドラマ）を集めた、女子のための図書館、もしくは映画館のようなラブドラマアニメーションアプリです。