400年の歴史を誇る「弘前城」総重量約400トンの天守閣をスルスル移動!?

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2015年09月22日 23:10  FUTURUS

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FUTURUS(フトゥールス)

お城の華といえば天守閣。石垣の上にのった天守は威風堂々とし、みるものを魅了する。

特に桜の季節は、目を奪われるほどの光景だ。

江戸時代に築城された各藩の城は明治時代となり廃城、また戦火を受けて燃えるなど江戸時代そのままの天守を戴いている城は少ない。現存12天守に数えられ、北端に位置する弘前城では、石垣が膨らみ、そのままでは、じきに崩落する危機にさらされていた。

石垣補修のため、現存天守を移動

弘前城は1611年の築城から数えて404年。その間に石垣が膨らみ(はらみ、という)、そのままでは崩落してしまう。この石垣を補修するには、その上にのっている天守を外さなければならない。そこで天守をそのまま台車に載せて、移動させてしまう『曳き屋』を行うのが今回の石垣補修事業のハイライトだ。


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CGを見る限り一見シンプルだが、3重3階の天守は高さ約14m、総重量400トンにも及ぶ。貴重な現存天守なだけに亀裂を入れるわけにはいかない、慎重には慎重を期して行わなければならないのは、想像にかたくない。

その作業は世界でも注目されており、タイムラプス動画でその様子がうかがい知れる。


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寿命の長い石垣

石垣補修工事はこの天守が移動してからが本番で、その工期は10年にも及ぶという。補修では元々の石の位置を正確に把握、一旦全部取り外したのち基礎を作り直し、再び同じように一分の狂いもなく積み上げられるため、時間がかかるのは致し方ない。

その間、威風堂々とした天守の姿を堀ごしにみることができない。しかしこれまで400年、そして今後も100年200年と保存していく城の未来を考えれば、10年という工期は必要不可欠なものとして受け入れたいところだ。

むしろこの貴重な期間、天守をみる展望台『曳屋展望デッキ』が設置されることもあり、あらたな観光名所として訪れたいものだ。

コンクリート製の建物は、耐用年数が50年程度であり、補修がきかないのに比べ、石垣は補修さえすれば400年以上もつことを考えると、なかなか興味深い。

【参考・動画】

※ 弘前城が動く! – YouTube

※ Timelapse: 400-tonne castle tower moved using metal rollers, Japan – YouTube

【画像】

※ 弘前・写心観 / PIXTA

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